かつて甲子園を沸かせた"ハンカチ王子"こと斎藤佑樹、大学球界最速ピッチャー・澤村拓一、150キロ超の本格右腕・大石達也──華も実力も備えた選手を巡る激しい争奪戦が予想された2010年『プロ野球ドラフト会議 supported by TOSHIBA』が28日、東京都内のホテルで開催された。招待された野球ファンも見守る中、みごと意中の選手を引き当てた球団は!?
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プロ野球ドラフト会議は東芝が全面サポート。選択選手の入力には「dynabook」が使われた(画面は入力UIイメージ)
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早稲田カラーのパンツでゲン担ぎ! ナベQの衝撃的な強運
ドラフト1巡目。埼玉西武ライオンズ・渡辺監督が強運を見せつけた。注目の本格右腕、大石達也(早大)をめぐり6球団が競合する中、最後にくじを引いた渡辺監督が歓喜のガッツポーズ。大石の名が読み上げられるたびにどよめいた会場も、この瞬間、最高の盛り上がりに。「本当に信じられない。なんかコワイです」(渡辺監督)。
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西武の渡辺監督が2年連続で当たりくじ。昨年の菊池雄星には「運命を感じた」が、今年は「衝撃を感じている」とのこと |
昨年のドラフトでも6球団競合の菊池雄星投手を一番手として引き当てた。今シーズン終盤にはここ一番での弱さを露呈させたナベQ西武だが、このまま終わるわけにはいかない。「早稲田カラー(えんじ)のパンツをはいてきた」(渡辺監督)。ゲンを担いでまで面目躍如となる勝負強さを発揮してみせた。交渉権を獲得した大石投手については「今年のドラフトでナンバーワンの選手を指名した。先発として考えている」。
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大きな仕事を成功に導き満面の笑顔。ストッパーとしての評価が高い大石だが、西武では先発投手として育成していくという |
くじ箱は会場に詰めかけたプロ野球ファンの前に設置されていた |
甲子園のアイドルが北の大地に!
斎藤佑樹(早大)ほどプロ野球入りを期待され続けてきた選手はいないだろう。2006年夏の甲子園決勝で田中将大投手(駒大苫小牧、現楽天)と好勝負を演じてから4年。ついにドラフト会議でその名が読み上げられる瞬間がやってきた。人気、実力ともに申し分ない斉藤争奪戦には4球団が参戦。交渉権を引き当てたのは、北海道日本ハムファイターズの藤井球団社長だった。「信じられない。(2007年ドラフトで)中田翔のときも引いたが、2回引いて、2回当たったので非常にラッキー」。
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斎藤佑樹を引き当てた日ハム・藤井球団社長。くじの開封にもたついたため、他のハズレ3人は複雑な表情に |
球界が注目した斉藤、大石の早大コンビは、いずれも強運という実績の持ち主がまたもやさらっていった格好だ。パ・リーグにとってはシーズンを盛り上げる好材料を得たと言える。「マーくん(田中将大)に無理にぶつけるつもりはないけど」と話す日ハム・梨田監督だが、当然、斉藤と楽天・田中の投手対決はファンが期待するところ。両雄が相見える日が楽しみだ。
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藤井球団社長と日ハム・梨田昌孝監督。その手には「交渉権確定」のくじが。斎藤については「高校時代からすばらしい選手、大事に育てていきたい」
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このほか、実力派として複数球団による競合も予想された澤村拓一(中大)は単独指名で巨人、大野雄大(佛教大)は中日がそれぞれ交渉権を獲得した。各球団の選択選手一覧は下記を参照してほしい。なお、この日、別の意味でドラフト会議を盛り上げたのが、オリックス・岡田監督。「まさか2番目、3番目も重なるとは……」と苦笑いで語るように、外れ1位指名でも競合を繰り返してしまい、さらにまさかの3連敗を喫するハメとなった。
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くじ運に恵まれず渋い表情の岡田彰布監督。くじ運のないヤクルト小川監督にまで……
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楽天の指揮官として初陣となった星野仙一監督。1回目は大石を逃したが、2回目は塩見貴洋投手を引き当てた |
早々に斎藤佑樹の1位指名を表明していた東京ヤクルト。しかし、オリックス同様、小川淳司監督もくじ運がなかった…… |
パ・リーグ各球団選択選手
■福岡ソフトバンクホークス |
順 |
名前 |
ポジション |
出身 |
1位 |
山下斐紹 |
捕手 |
習志野高 |
2位 |
柳田悠岐 |
外野手 |
広島経済大 |
3位 |
南貴樹 |
投手 |
浦和学院高 |
4位 |
星野大地 |
投手 |
岡山東商高 |
5位 |
坂田将人 |
投手 |
祐誠高 |
※1巡目は斎藤佑樹を指名、抽選外れ |
■埼玉西武ライオンズ |
順 |
名前 |
ポジション |
出身 |
1位 |
大石達也 |
投手 |
早稲田大 |
2位 |
牧田和久 |
投手 |
日本通運 |
3位 |
秋山翔吾 |
外野手 |
八戸大 |
4位 |
前川恭兵 |
投手 |
阪南大高 |
5位 |
林崎遼 |
内野手 |
東洋大 |
6位 |
熊代聖人 |
外野手 |
王子製紙 |
■千葉ロッテマリーンズ |
順 |
名前 |
ポジション |
出身 |
1位 |
伊志嶺翔大 |
外野手 |
東海大 |
2位 |
南昌輝 |
投手 |
立正大 |
3位 |
小林敦 |
投手 |
七十七銀行 |
4位 |
小池翔大 |
捕手 |
青山学院大 |
5位 |
江村直也 |
捕手 |
大阪桐蔭高 |
6位 |
藤谷周平 |
投手 |
南カリフォルニア大 |
※1巡目は斎藤佑樹を指名、抽選外れ |
■北海道日本ハムファイターズ |
順 |
名前 |
ポジション |
出身 |
1位 |
斎藤佑樹 |
投手 |
早稲田大 |
2位 |
西川遥輝 |
外野手 |
智辯和歌山高 |
3位 |
乾真大 |
投手 |
東洋大 |
4位 |
榎下陽大 |
投手 |
九州産業大 |
5位 |
谷口雄也 |
外野手 |
愛工大名電高 |
6位 |
齊藤勝 |
投手 |
セガサミー |
■オリックス・バファローズ |
順 |
名前 |
ポジション |
出身 |
1位 |
後藤駿太 |
外野手 |
前橋商高 |
2位 |
三ツ俣大樹 |
内野手 |
修徳高 |
3位 |
宮崎祐樹 |
外野手 |
セガサミー |
4位 |
塚原頌平 |
投手 |
つくば秀英高 |
5位 |
深江真登 |
外野手 |
明石レッドソルジャーズ |
※1巡目・1回目以降、大石達也、伊志嶺翔大、山田哲人を指名、抽選外れ |
■東北楽天ゴールデンイーグルス |
順 |
名前 |
ポジション |
出身 |
1位 |
塩見貴洋 |
投手 |
八戸大 |
2位 |
美馬学 |
投手 |
東京ガス |
3位 |
阿部俊人 |
内野手 |
東北福祉大 |
4位 |
榎本葵 |
外野手 |
九州国際大付高 |
5位 |
勧野甲輝 |
内野手 |
PL学園高 |
※1巡目は大石達也を指名、抽選外れ |
セ・リーグ各球団選択選手
■中日ドラゴンズ |
順 |
名前 |
ポジション |
出身 |
1位 |
大野雄大 |
投手 |
佛教大 |
2位 |
吉川大幾 |
内野手 |
PL学園高 |
3位 |
武藤祐太 |
投手 |
Honda |
4位 |
森越祐人 |
内野手 |
名城大 |
5位 |
関啓扶 |
投手 |
菰野高 |
■阪神タイガース |
順 |
名前 |
ポジション |
出身 |
1位 |
榎田大樹 |
投手 |
東京ガス |
2位 |
一二三慎太 |
投手 |
東海大相模高 |
3位 |
中谷将大 |
捕手 |
福岡工大城東高 |
4位 |
岩本輝 |
投手 |
南陽工高 |
5位 |
荒木郁也 |
内野手 |
明治大 |
※1巡目は大石達也を指名、抽選外れ |
■読売ジャイアンツ |
順 |
名前 |
ポジション |
出身 |
1位 |
澤村拓一 |
投手 |
中央大 |
2位 |
宮國椋丞 |
投手 |
糸満高 |
3位 |
田中太一 |
投手 |
大分工高 |
4位 |
小山雄輝 |
投手 |
天理大 |
■東京ヤクルトスワローズ |
順 |
名前 |
ポジション |
出身 |
1位 |
山田哲人 |
内野手 |
履正社高 |
2位 |
七條祐樹 |
投手 |
伯和ビクトリーズ |
3位 |
西田明央 |
捕手 |
北照高 |
4位 |
又野知弥 |
外野手 |
北照高 |
5位 |
久古健太郎 |
投手 |
日本製紙石巻 |
6位 |
川崎成晃 |
外野手 |
熊本ゴールデンラークス |
※1巡目・1回目以降、斎藤佑樹、塩見貴洋を指名、抽選外れ |
■広島東洋カープ |
順 |
名前 |
ポジション |
出身 |
1位 |
福井優也 |
投手 |
早稲田大 |
2位 |
中村恭平 |
投手 |
富士大 |
3位 |
岩見優輝 |
投手 |
大阪ガス |
4位 |
金丸将也 |
投手 |
東海理化 |
5位 |
磯村嘉孝 |
捕手 |
中京大中京高 |
6位 |
中崎翔太 |
投手 |
日南学園高 |
7位 |
弦本悠希 |
投手 |
徳島インディゴソックス |
※1巡目は大石達也を指名、抽選外れ |
■横浜ベイスターズ |
順 |
名前 |
ポジション |
出身 |
1位 |
須田幸太 |
投手 |
JFE東日本 |
2位 |
加賀美希昇 |
投手 |
法政大 |
3位 |
荒波翔 |
外野手 |
トヨタ自動車 |
4位 |
小林寛 |
投手 |
大阪学院大 |
5位 |
大原慎司 |
投手 |
TDK |
6位 |
福山博之 |
投手 |
大阪商業大 |
7位 |
大原淳也 |
内野手 |
香川オリーブガイナーズ |
8位 |
靏岡賢二郎 |
捕手 |
愛媛マンダリンパイレーツ |
※1巡目は大石達也を指名、抽選外れ |