P&T/Expo Comm China 2010の会場には、中国メーカー各社の携帯電話やスマートフォンが多数展示されていた。中国も3Gの普及に入り、W-CDMA方式に対応した製品も増えている。特にスマートフォンであれば日本語化は容易なので、中国メーカーの3G製品が日本へ進出することも十分考えられる。最近では日本で販売されるスマートフォンも海外メーカー製が増えており、将来はそこに中国メーカー品が加わる時代がやってくるかもしれない。展示会で見かけた注目製品や面白そうな端末をいくつか紹介しよう。

Android OS搭載のタブレット端末

タブレット端末はインフラベンダーでもあるHuawei、ZTEがW-CDMA対応製品を展示していた。HuaweiのS7は7インチWVGAディスプレイ、200万画素カメラを搭載したモデル。すでに今年2月のMobile World Congress(MWC)で発表されていたモデルで、ようやくこの秋から各国で発売される予定とのこと。

またZTEのV9は7インチディスプレイ、300万画素カメラを搭載したモデル。どちらの製品もOSはAndroid 2.1。発売時期は未定とのこと。

HuaweiのS7

ZTEのV9

両社は日本でもHSDPAモデムなどを販売している。タブレット端末もぜひ日本で発売して欲しい。

スマートフォン専業、Coolpadの3Gモデル

スマートフォン専業メーカーの代表といえば台湾HTCだが、中国にもスマートフォンやビジネス向けフィーチャーフォンに特化したメーカーがある。それがCoolpad(酷派)で、フルタッチ端末などを精力的に市場に投入している。これまではCDMA端末を得意としていたが、中国でW-CDMA方式が開始されてからは海外輸出をも見据えて同方式に対応したスマートフォンなどを販売している。

W7IIは、W-CDMAに対応した同社初のAndroidスマートフォン。3.5インチHVGAディスプレイ、500万画素カメラを搭載し、ディスプレイ下に3つのハードウェアキーを備える。W700は、折り畳み形状のコンパクトなモデル。背面に2.8インチのタッチディスプレイを搭載しており、閉じた状態ではフルタッチフォンとして利用できる。独自OSのフィーチャーフォンで、通信方式はW-CDMA。

日本ではあまり知られていないCoolpad。スマートフォンに強い

AndroidスマートフォンのW7II

フィーチャーフォンだが背面がフルタッチ操作可能なW700

同社は独自のアプリケーションストア「Coolmart」も提供している

どちらの製品もビジネス向け端末を多数手がけてきた同社だけに質感は高く、海外でも十分通用する仕上がりになっている。

W-CDMAのデュアル待ち受けに対応端末

中国ではSIMカードスロットを2つ備え、その両方で同時待ち受け可能な端末が多数販売されている。今回、台湾OKWAPがW-CDMAのデュアル待ち受けに対応した製品を展示していた。OKWAPはインベンテック社の携帯電話ブランド名で、同社は日本でもイーモバイルにH31IAを供給している。

展示していたのは、HSDPAに対応したC580。3.5インチHVGAディスプレイや500万画素カメラを搭載したフィーチャーフォンだ。C580がSIMロックフリー端末として、日本で提供されれば、NTTドコモとソフトバンクの2回線を同時待ち受けする、といった使い方もできるわけだ。

台湾OKWAPはインベンテックの端末ブランド名

C580はデュアルW-CDMA対応。スマートフォンライクなUIを搭載

見た目に特徴のある製品も

中国国内はメーカー乱立により各社間での競争が激しくなっており、LenovoやK-touchなど中国国内シェアトップメーカーは機能だけではなく外見で差別化を図ったモデルを投入している。また2月のMWCで話題となったHuaweiのサッカーボール型モデムの派生品モデルとして、バスケットボールモデルが追加された。日本向けにもJリーグモデルなどをぜひ出して欲しいものだ。

LenovoのET10はIP54相当の防塵防水性能を備えたTD-SCDMA端末

K-touchの小型端末はキーボード部分を回転させて収納できる。TD-SCDMA対応

HuaweiのHSDPAモデムはバスケットボール型などの派生モデルも

Desayの点字対応コンセプトモデル。ニッチだが市場から確実に求められている製品だろう