世界中でサービスが展開されているBlackBerryは、中国でもビジネス層を中心に人気が高い。10月11日から15日まで、中国・北京で開催された通信関連の展示会「P&T/Expo Comm China 2010」のRIMブースでは、発売中の製品やソリューションシステムの展示に人気が集まっていた。
BlackBerryの中国での歴史は浅く、コンシューマー向けに端末とサービスが提供開始されたのは今年になってからである。だが中国の消費者は海外端末への興味も高く、iPhone同様にBlackBerryも国内で正式に販売される前から輸入して利用しているユーザーも多く存在していた。BlackBerryはビジネスユーザー向けの高級端末であり、キーボードの打ちやすさと相まって中国でもその知名度は高い。特に中国語の文字入力方式「ピンイン」は日本語のローマ字入力相当であることから、QWERTYキーボード端末との相性もよい。そのため文字入力を多用する層にもBlackBerryは人気が高いようである。
3モデルが発売されている中国のBlackBerry
ブースでは、現在発売中の端末とソリューション系の展示が行われており、常に来訪者でにぎわっていた。今年から中国内で本格的に販売が開始されたこともあってか、BlackBerryへの注目は中国でも高まっているようだ。特にビジネス利用を考えている来訪者が多く、ブースの担当者に具体的な契約やサービス内容を確認する来訪者の数も多かった。
中国で発売されているBlackBerry端末は現在3種類だ。まず、中国電信がCDMA 2000とW-CDMAのデュアル方式に対応した「BlackBerry Storm 9530」を提供している。同端末は、タッチパネルで操作が可能であり、中国国内ではCDMA、海外ではW-CDMA/GSMネットワークでローミング利用できる。
また、中国移動がGSM方式に対応した「BlackBerry Curve 8900」と「BlackBerry Curve 8520」を単体販売している。こちらの端末は、音声通話とSMSだけの利用であれば「BlackBerry Enterprise Server(BES)」または「BlackBerry Internet Serivce(BIS)」契約無しでも利用可能。プッシュメールなどのBlackBerryサービスを利用する場合は、BES/BISの契約が必要となる。なお、中国移動は上海で開催中の上海万博の公式スポンサーにもなっており、イベント限定モデルのBlackBerry Curve 8900を販売している。同モデルは、メニューの各アイコンを選択すると上海万博のマスコット「海宝」が顔を出す特別仕様となっており、待ち受け画面の壁紙も上海をイメージしたものが使用されている。ちなみに、万博期間のみの発売だそうだ。
このほか、BlackBerryの歴史コーナーも設営されており、2001年から今年まで10年間のBlackBerryの歩みやその間に発売された代表的な端末が展示されていた。スライド式でフルタッチディスプレイとQWERTYキーボードを備えた「BlackBerry Torch 9800」も最新機種としてショーケース内に展示されていたが、中国内の発売は現時点では一切未定とのこと。
RIMは北京市内の繁華街、西単にBlackBerry端末の専門店もオープンさせており、今後は中国のコンシューマー向けにも端末とサービスの展開を強化していく予定だそうだ。ブースの担当者によれば、本展示会で初めてBlackBerry端末に触れたという来訪者の数もかなり多く、今後は販売ルートの拡販や実機を展示するショールームの展開などを検討しているとのことである。