米Amazon.comは10月22日(現地時間)、同社の電子ブック・プラットフォーム「Kindle」向けの新サービス2種類を発表した。1つはPCやスマートフォン向けに提供されているKindleアプリ向けの新機能で、Kindleデバイスがなくても新聞や雑誌の定期購読が可能になる。2つめはKindleデバイスとアプリの両方で利用できる新機能で、手持ちの書籍を最大14日間まで友人に"レンタル"できるようになる。
新聞/雑誌の購読はKindleの目玉機能の1つだが、今回の発表によりKindleデバイスを持っていなくてもアプリ利用ユーザーでも楽しめるようになる。機能導入は数週間内を見込んでおり、まずiPad/iPhone/iPod touch向けのアプリで導入されるという。その後Kindle for Androidに展開され、以後も他のスマートフォンプラットフォーム向けのアプリ対応が順次行われる。
2つめのレンタル機能はBarnes & Nobleの「nook」が導入して話題になった機能で、14日間というレンタル期限の設定が一緒なことから、新機能追加はnook対抗が狙いとみられる。もともとAmazon.com CEOのJeff Bezos氏はこのレンタル機能に否定的な見解を述べていたといわれるが、以前にはnook Wi-Fiの登場を受けて急遽Kindleの価格引き下げを発表するなど、その戦略はライバルの動向とは切っても切り離せない関係にある。なお、nookのLendMe機能に対応しているのはnookデバイスと、先日発表された「nook for Android」の2種類で、今後順次B&Nの電子ブックリーダーアプリが「nook」でリブランディングされる過程で対応が進むとみられる。ただしKindleのレンタル機能の対応は出版社などのコンテンツホルダー側に委ねられており、すべての書籍が機能に対応するわけではないという。
レンタル機能のほうは年末までに導入が行われ、アプリでの購読機能とともに正式発表に合わせて詳細が説明されるという。