「Wikipedia Companion」の概要とインストール

Wikipedia。ご存じの方も多いと思うが、Web上で展開する百科事典プロジェクトだ。Wikipediaには百科事典という名にふさわしい古今東西、森羅万象の項目が書かれており、様々な知識が集約されている。そのWikipedia自身にれば、専門家によるオンライン百科事典プロジェクトNupedia(ヌーペディア)を前身として2001年にジミー・ウェールズ氏により創設され、ウィキメディア財団が運営している。個々のユーザーがコピーレフトなライセンスのもと、誰も自由に編集できるのが特徴で、ユーザーなどからの寄付により運営されている。「Wikipedia Companion 」はChromeの拡張機能として、このWikipediaを独自のミニブラウザとしてChrome上に表示させる。

注意:本稿では、Google Chromeエクステンションのインストールを行っていますが、ソフトウェアの利用は使用者の責任で行ってください。

Google Chromeの拡張機能ページから[インストール]をクリックするとすぐに「Wikipedia Companion 」をインストールすることができる。インストール後はChromeの右上に「W」のアイコンが設置され、これをクリックすることでChromeの表示領域に独自のウィンドウが立ち上がる。進むボタンや戻るボタンも設置されているほか、検索項目も装備されており、Wikipedia用のミニブラウザとして稼働する。

「Wikipedia Companion」のインストールWebサイト。[インストール]とあるボタンを押すとインストール完了

インストールが完了すると右上に[W]のアイコンが設置される。これを押すとWikipediaウィンドウが出現する

ネットサーフィンをしていると様々な固有名詞に遭遇する。インターネット上での文字や文章は溢れんばかりに目に入ってくる。新しい情報や聞き覚えのないものが多いだろう。商品名だったり、人物名だったりと日々"NewWords"が流れ込んでくる。そんな場合に「Wikipedia Companion 」を使って即座にWikipediaで検索するのもよい。

ご覧のとおり。Wikipedia Companionには独自の[進む][戻る]ボタンが設置してあり、本体のGoogle Chromeとは離れてWikipedia内部を縦横無尽にブラウジング

雑学のお供に

Wikipedia Companionは、独立したミニブラウザでWikipediaを彷徨える点に特徴がある。Wikipediaは百科事典というだけあって、映像や画像なども多数利用されている。これらもこのミニブラウザの中で表示できるし、先述したように戻るボタンや進むボタンも設定されている。あるキーワードの主要な意味を"調べる"のにも利用できるが、そのキーワードから派生する関連知識を雑学として把握するためにも最適な拡張機能の一つだ。

関連項目をクリックしていくことで、様々な知識を吸収していくことも可能だ。図ではパーソナルコンピュータから各パーツ

メインメモリの概説ページ。百科事典だけあって知識を系列だてて吸収できるのが良い

難を言えば、メインであるChrome上での文字列の選択状態からミニブラウザにテキストを送信するにはコピー&ペーストを使わざるを得ないことにあるが、これは[Ctrl]+[C]と[Ctrl]+[V]という使い慣れたショートカットで貼り付ける。またWikipedia Companionを呼び出すには、[Alt]キーでフォーカスをアイコンに当て、矢印で[W]のアイコンをクリックする必要がある。つまり、Chrome上で表示されているキーワードを検索するには、

 画面上のキーワードを選択
 Ctrl+C
 Altキー+矢印+Enter
 Ctrl+V

の操作が必要になる。目で見るとこれら操作が繁雑なように思えるかもしれないが、使用頻度の高いショートカットなので実際にやってみるとスムーズにいくのがおわかりになっていただけるのではないかと思う。

気になる文字列があった場合、文字列をコピー&ペーストしておき

Google Chrome内で[Alt]キー。アイコンにフォーカスをあてて、矢印キーで[W]を選択するとウィンドウが出現するので

立ち上がるウィンドウでは既に入力待機状態になっているので、そのまま貼り付けられる。そのまま[Enter]すると検索結果が出現する

表示方式はミニブラウザ用に最適化されており、コンパクトな形で表示してくれる。スクロール機能も搭載されているが、それでも小さな表示領域ではあまり使いたくないものである。たとえば織田信長を表示させてみると図のように主文以外の表示、概要や年表などは折りたたまれており、必要な場合はそれぞれの[+]の部分をクリックするだけでよい。

ここでは織田信長を検索してみる

表示項目がミニブラウザに適した形で折りたたまれており、コンパクトに閲覧できる

年表だけを表示させた形

オプションではシンプルだが重要な2点を設定できる。ひとつは独自ウィンドウの表示サイズ。[Normal]と[Wide]の二つからしか選択できないが、筆者は広いウィンドウを望むので[Wide]を選択する。また、使用言語を第一と第二で設定できる。Wikipediaは世界中の主要言語で運営されている。大方の場合は第一選択後に日本語、第二選択にEnglishを選択しておけばよい。

オプション画面。使用言語やウィンドウのサイズなどを設定できる