こんにちは。一日3時間をニコニコ動画に費やすダメ社会人、山田井ユウキです。

今日もさっそく最近流行の動画や埋もれている良動画を独断と偏見で皆さんに紹介していこうと思います。選ぶ基準はただ一つ、僕の趣味です!

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さてさて、今ニコニコ動画で大流行しているとあるジャンル──ジャンルと呼んでいいかは微妙ですが──をご存じでしょうか。

それは「エルシャダイ」。

知らない方にとってはタイトルだけ聞いてもさっぱりだと思いますので、今回はこの「エルシャダイ」が一体何なのかというところも合わせて解説しつつ、関連動画をご紹介していくことにしましょう。


すべての始まりとなった動画はこちら。『El Shaddai(エルシャダイ)』は2011年発売予定の3Dアクションゲームであり、このムービーはE3にて公開された公式トレーラーとなります。ご覧いただければわかるとおり、個性的な登場人物やシンプルながらも印象に残るセリフの数々などがユーザーの心にヒット。トレーラー公開時からネットの一部で話題を呼んでいたのですが、ニコニコ動画では夏頃から急激に人気を伸ばし、次々とMADや関連動画が投稿され始めたのでした。

なお、トレーラーはこの後も新作が公開され続けており、そのせいかこれほどのスピードでネタが消費されているにも関わらず、未だに流行は衰えを見せていません。

ユーザーによる関連動画で、秀逸なものをご紹介していきましょう。


おそらくはゲームに登場する「イーノック」というキャラクターの名前から「猪木」を連想したところから発想が生まれたと思われるMAD動画。お馴染みアントニオ猪木のテーマBGMに合わせて、元ネタのテンポの良い会話が繰り広げられます。ネタの展開の仕方、音声の使い方など、両方の素材の良いところをうまくミックスした技あり動画と言えるでしょう。


ちょっと前にニコ動でも流行していたアニメソング「恋愛サーキュレーション」とエルシャダイを合わせたMAD動画。組み合わせる素材の意外性は先ほどのイーノックボンバイエにも勝るとも劣らないもので、インパクトは十分。関連動画ながらミリオン再生を達成しており、エルシャダイ現象の凄さを感じさせます。


同じくミリオン再生を突破しているエルシャダイ動画。元曲との微妙なリンクと、少ない素材の組み合わせで作られた展開の巧さに注目していただきたいところです。


東方ジャンルの楽曲「Bad_Apple!!」とエルシャダイを組み合わせた音MAD。リズミカルな原曲にうまくセリフを重ねたリズム感は癖になる心地良さ。ここまでの音MADでわかる通り、エルシャダイMADではルシフェルのセリフがメインに使われることが多く、そこにイーノックのセリフがピンポイントで重なることで面白さが倍増しています。MAD素材としては元ネタが明らかにボリューム不足ですが、この二人の絶妙な役割分担がそこを十分に補っていると言えそうです。


エルシャダイMADが一段落した頃に彗星の如く現れた、エルシャダイの実演動画。キャストのインパクトや、手妻師・藤山晃太郎という著名人が参加していること、予想以上に再現率が高かったことなどから話題となり、投稿後は瞬く間にランキング1位を獲得。実は良い仕事をしているカメラワークや編集にも拍手を送りたいところです。


まさに「発想の勝利」と評価したいCMとエルシャダイのMAD動画。ルシフェルのセリフは様々な動画で応用されていますが、まさかそれを高枝切りばさみへとつなげるとは……。こういうのはたぶん思いつきから生まれるのでしょうけど、じゃあ思いつくのかというと無理なので、やっぱりすごい発想だと思いました。


そんなこんなでとうとう携帯電話の着信音を作成したユーザーまで登場。どういう意味かは見ていただければすぐわかります。「そういうことか!」と思わず膝を打つアイデア動画。しかしこれを本当に着信音にするのは、ちょっと恥ずかしいかもしれませんね……。


誰も予想していなかった「アタック25」との組み合わせ。予想していてもこれは笑ってしまう!


Xbox360の恋愛シミュレーションゲーム「ドリームクラブ」とエルシャダイのまさかの融合。……イーノックはセリフ素材が少ないのでは? という疑問はごもっともですが、そこはもちろん保護者のルシフェルがうまくサポートしてくれますよ!


最後はMADではもはや定番となった「リトルバスターズ!」のOPムービー風パロディ。登場人物が明らかに少なすぎるわけですが、そこをどう補うのかが見どころ。基本的に初期のエルシャダイMADは素材の少なさとの戦いなので、そのあたりに着目するとより楽しめます。

主なエルシャダイ動画をまとめてみましたが、いかがだったでしょうか。僕はもうお腹いっぱいです。

ゲーム発売に向けて、さらに加速するエルシャダイ現象。

願わくばこの盛り上がりが一時のものとして終わることがありませんように……。

勝手エヴァンジェリスト・山田井ユウキ

1980年生まれ。レビューサイト「カフェオレ・ライター」で、映画、漫画、ゲームなどを独自視点からレビューする他、「builder by ZDNet Japan」「ハリウッドチャンネル」など各種媒体で記事を連載中。どんなに忙しくても一日数時間ニコニコ動画に費やすという、社会人としてあるまじき生活を謳歌中。好きな動画ジャンルはゲーム実況、ボカロ、他エンタメ系全般。
(タイトルイラスト:3P3P) ※本コラムで紹介している動画は、作者やサイトなどの都合により削除されることもあります。あらかじめご了承ください。