今月21日の羽田空港国際線旅客ターミナルの供用開始に合わせて、鉄道やリムジンバスも運行をスタート。もともと都心から近くて便利だった羽田へのアクセスはますます改善されることになる。
地上アクセスは世界にも稀に見る近さ
東京・浜松町の東京モノレール駅。ここから羽田空港新国際線旅客ターミナル(新羽田ターミナル)直結の「羽田空港国際線ビル駅」まで直通の空港快速で約13分。びっくりする早さで、都心からだと国内線ターミナルよりも近い。新羽田への電車でのアクセスは京急電鉄もあり、新羽田直結の駅「羽田空港国際線ターミナル駅」まで、品川駅から直通のエアポート快特でこちらも最速13分という近さ。福岡空港の博多駅から5~6分というのは特別で、日本国内の空港で街の中心地に近い国際線就航の空港はほとんどない。それだけ新羽田の便利さが際立つ。
国内の空港と比較しても説得力に欠けるかもしれないので、世界の有名空港と比較してみよう。
結論からいえば、羽田は都心からの距離が世界レベルで見ても稀にみる近さ。都心から羽田までは約15km、都心から最速13分。では、海外の空港はといえば、ニューヨークのジョン・F.ケネディ空港は19km、都心から最速約35分、パリのシャルル・ド・ゴール空港は23km、ソウルの仁川空港は50km、同約90分。どれも羽田より遠い。逆に、羽田より都心に近い空港は、フランクフルト・アムマイン空港の中心部から12km、鉄道で約12分、アムステルダム・スキポール空港の同10km、同約15分などと数えるくらいしかない。
モノレールは早朝深夜で25分の運行時間拡大
さて、東京モノレールは2010年10月21日の羽田空港国際線ビル駅の開業に合わせてダイヤを改正。浜松町駅からノンストップの空港快速で列車の運行を開始するのに加え、夜間と快速を中心に平日・土休日とも15本を増発。普通電車も含めて平均すると5分前後に1本という便利さだ。
さらに、羽田からの国際線に多い深夜・早朝便(10月31日より就航)に合わせて、始発はより早く、終電はより遅くする。浜松町から羽田国際線ビルに向かう始発は午前5時発から4時58分発に早め、終電は23時36分発から0時01分発に遅める。また、羽田方面から浜松町に向かう始発は約10分早くなり国際線ビル発は5時17分。終電は約15分遅くなり、国際線ビル発の終電は0時10分。行き帰りを合わせて始発と終電の時間帯が約25分拡大される。一方、京急電鉄・エアポート快特の運行も20分間隔(土休日/主に9時台~19時台)という充実のダイヤだ。
ちなみに、国内線ターミナルと国際線ターミナルの移動は通常6分おきに連絡バスを運行。また、東京モノレールと京急電鉄も「無料乗継旅客用乗車券」で利用可能。
リムジンバスも深夜着の国際線に対応
バス会社も国際線の深夜早朝便に合わせた便を中心に増便。東京空港交通のリムジンバスは、六本木・恵比寿・白金・芝・汐留エリアのホテルと羽田を結ぶ路線を新設し、リムジンバスの深夜・早朝便を運行する。たとえば池袋駅行きの深夜便は国際線ターミナルを0時と0時40分とかなり遅い時間に出発する便を設定した。
また、京浜急行バスも深夜対応便をスタート。横浜駅(YCAT)行き、渋谷方面行き(東急バス運行)の最終は0時30分、東京駅行きの最終は0時15分、さいたま新都心駅行きの最終が0時20分など、こちらも充実したダイヤが組まれている。
ホノルルやバンコク、シンガポールなど、羽田便には夜10時以降に着くフライトが多い。そのため、最終便は遅いに越したことはない。羽田から家まで時間がかかる人は、自宅までの交通手段をしっかり確認して出かけるようにしたい。