日立アプライアンスは19日、ルームエアコン「イオンミスト ステンレス・クリーン 白くまくん」の「S」シリーズ2011年度モデル8機種を発表した。Sシリーズは、同社のルームエアコンとしては、プレミアムクラスのXシリーズに次ぐ上級グレード。発売日、価格などは表の通り。

2011年度モデルの「S」シリーズ

同社のイオンミスト ステンレス・クリーン 白くまくんは、2007年の初登場以来、内部に清潔さを保つステンレスを使用することで、人気となり、それまでは16%程度だった同社のルームエアコンのシェアを20%程度にまで高める原動力となった製品。新製品発表会では、空調事業部 ルームエアコン統括本部 本部長の長沢喜好氏が「今年は、上半期に記録的な猛暑、そして下半期にはエコポイントの需要の盛り上がりもあり、エアコンの総需要は、年間814万台という、消費税増税の駆け込み需要があった96年に次ぐ規模となる」と見通しを述べ、また、そのなかで、独自技術により、前年と同水準のシェア20%を目指していくと、目標を示した。

空調事業部 ルームエアコン統括本部 本部長の長沢喜好氏

新モデルが搭載する独自技術は、3種類のセンサーによる省エネ能力と快適性の向上。従来より、Sシリーズには、人の動きを見るセンサー、壁や床などの輻射熱を見るセンサーが採用されてきた。人の動きを見るセンサーは、その部屋にいる人間の活動量を調べ、それに見合った空調を行うもので、輻射熱のセンサーは、その部屋の温度を調べるためのセンサー。新モデルではこれに音を聞くセンサーを加えることで、例えば、同じように部屋の中にいる人の動きが少ない状態でも、単にくつろいでいるのか、テレビを見ていたりするのかなどといった、状況によって変わってくる体感温度に、よりマッチした空調を行うようになった。また、音センサーは、音の大きさだけを検知しているのではなく、その音の種類も判断する。これにより、テレビの音が聞こえているときには、室内機の音を小さめにする、掃除機の音が聞こえる場合には、空気中のハウスダストが増える可能性が高いので、現在の運転に空気清浄運転が追加するといった制御が行われる。3つのセンサーによる制御は、暖房時、冷房時の両方で使われる。また、この自動運転は、リモコンに搭載されている「ecoこれっきりボタン」を押すだけで利用可能だ。

3つのセンサーによる省エネと快適性のアップ。生活の音を聞く音センサーは同社の独自技術

リモコン中央にある、黄色い「ecoこれっきりボタン」を押すだけで、3つのセンサーによる、省エネ/快適運転

送風機能の見直しも行われている。「風だけ」運転を選択すると、エアコンのリモコンの位置を中心に、スイングしながら風を送る。この時の消費電力は、扇風機と変わらない35W前後。冷房を入れるほどではない暑さの時に使える機能だ。

「風だけ」運転にすると、扇風機と変わらない消費電力に

消費電力の拡大写真

さらに、待機電力も大幅に削減。これは、エアコンの運転時に使用する大電力用のレギュレーターと、待機時に、リモコン制御の部分のみを動作させる、小電力用のレギュレーターの2つを搭載し、切り換えているため。従来は1W程度あった待機電力は、0.04Wにまで削減された。

ガラス風大型ルーバーの採用は、2011年モデルのデザインのポイント

型式 出力 電源 冷房時適用畳数 発売時期 価格 推定小売価格
RAS-S22A 2.2kW 単相100V 6畳程度 12月中旬 オープン 20万円前後
RAS-S25A 2.5kW 8畳程度 22万円前後
RAS-S28A 2.8kW 10畳程度 24万円前後
RAS-S30A 3.0kW 12畳程度 25万円前後
RAS-S40A2 4.0kW 単相200V 14畳程度 12月上旬 26万円前後
RAS-S56A2 5.6kW 18畳程度 1月上旬 30万円前後
RAS-S63A2 6.3kW 20畳程度 31万円前後
RAS-S71A2 7.1kW 23畳程度 33万円前後