シャープは18日、高濃度プラズマクラスター7000加湿空気清浄器の2010年モデル、「KC-Z80」「KC-Z65」「KC-Z45」「KC-Z40」の4機種を発表した。KC-Z65のみが11月20日発売で、それ以外のモデルは11月15日発売。価格はすべてオープンで、市場価格は、KC-Z80が7万5,000円前後、KC-Z65が5万5,000円前後、KC-Z45が4万5,000円前後、KC-Z40が4万円前後と予想される。
新製品発表会で、まず壇上に立ったは、同社の健康・環境システム事業本部プラズマクラスター機器事業部長 鈴木隆氏。同事業部は、今年の10月1日に発足したばかりで、これが初の新製品ということになる。2009年度、同社の健康・環境システム事業本部全体の売り上げのうち、空気清浄器とイオン発生機が占める割合は、約40%となったとのことだ。
同社では、2006年に、空気清浄器を購入したが使用していないという人に向けて、その理由の調査を行ったという。すると「効果が実感できないから」という回答が一番多くあげられ、それ以降、イオンの高濃度化や空気力学の進歩向上、モニターの高機能化など、実感性能の向上と、効果の見える化を推進してきたという。鈴木氏によると、今回の新製品のポイントとなっているのは、吸塵スピード、除菌・脱臭性能の向上、使い勝手のアップといった、納得できる実感性能の強化とのことだ。
続いて壇上に立ったのは、商品企画部副参事の西田敬子氏。まず、空気清浄器の市場動向について、「2009年度は新型ウイルスの影響もあり、出荷台数は史上最多の218万台となった。2010年度は、猛暑のせいで花粉の量が増えることが予想され、昨年並みの210万台程度を見込んできる」とし、さらに、「空気清浄器に求められる性能が、従来のハウスダスト対策から、ウイルス対策など、健康面にシフトしてきたことで、加湿機能付きモデルの比率が高まってきている」と語った。2007年度には30%強だった加湿空気清浄器の比率は、2009年度には70%となり、2010年度には約80%を占めると予想。また、同社の昨年度のシェアは50%程度。今年もそれと同等のシェアを目指していくそうだ。続いて、新モデルについてのプレゼンが行われた。
新モデルの特長となっているのが、新ロングノズル、気流誘引ガイドの採用、吸い込み面積の拡大などによる、吸塵速度のアップ。同社の空気清浄器は、吹き出し口から吸い込み口まで、部屋全体をカバーする気流を作り出し、それによって効率的にハウスダストなどを取り除くという方式を採用している。そのため、後ろななめ20度に吹き出し、吸い込み口は本体背面に設けられている。この吹き出し部分が、ロングノズルと呼ばれる独自の形状となっているのだが、これは、水道の蛇口につないだホースの先端を指ではさむと、水の速度が上がるのと同じ効果をねらったものだ。2010年度モデルに採用されている新ロングノズルでは形状を変更。ノズル内での乱流の発生を抑え、より風速をアップさせている。気流誘引ガイドは、より効果的に気流を吸い込み口に導くための本体形状。2010年度モデルでは、本体下部に車のエアーインテークのような形状を採用することで、効率を高めている。背面の吸い込み口は2008年モデルに比べて約30%面積が拡大している。これらにより、2010年度モデルでは、2006年モデルに比べて約2倍の吸塵速度を実現している。また、「プラズマクラスターシャワー」モードも搭載。同モードは、通常の1.5倍の濃度のイオンを60分間室内に放出するというもの。外出からの帰宅時などに効果的だ。さらに、持ち運びのためのハンドルをつけ、自立可能にした、新給水タンクの採用や、掃除の際などに移動が楽なように、本体にキャスターを装備するなどの、使い勝手面の改良も加えられている(キャスターは横方向にのみ動くタイプ)。
ドライアイスの煙とシャボン玉が吸い込まれる速度により、吸塵速度を示す実験。写真は2009年度モデル |
こちらは2010年度モデル。2009年度モデルに比べても、吸い込む速度が圧倒的に速い |
60分間、約1万個/cm3の高濃度イオンを放出する「プラズマクラスターシャワー」モード |
4製品の違いは、KC-Z80が、加湿空気清浄の適用床面積が35m2(21畳)の広いLDKに向いたタイプ。大型デジタル湿度モニター/ハウスダストモニター/ニオイモニター/加湿中モニターも装備する。フィルターは、ミクロンメッシュプレフィルターに、洗える脱臭フィルター、アレル物質・ウィルス抑制&制菌HEPAフィルターを搭載する。すべてのフィルターが10年間交換不要だ。最大風量は8.0m3/分で、最大加湿量は760ml/h。KC-Z65は、適用床面積が28m2(17畳)のリビング向けモデル。最大風量が6.5m3/分、最大加湿量が600ml/hとなるほかは、KC-Z80と同じ機能/性能を持つ。KC-Z45は、適用床面積が21m2(13畳)のリビング/寝室向けのモデル。最大風量は4.5m3/分、最大加湿量は450ml/h。なお、KC-Z80/65に搭載されているニオイモニターは装備されていない。KC-Z40は適用床面積18m2(11畳)のワンルーム向けのエントリーモデル。最大風量は4.0m3/分で、最大加湿量は400ml/h。なお、KC-Z40のみ、吸塵スピードが2006年モデルの1.5倍となるほか、加湿中モニター、キャスターが装備されない。また、集塵フィルターもHEPAフィルターとなる。