アジア時間概況
アジア株式は、強弱まちまちの状況が継続。日本225種は、米住宅市場の不透明感により売り圧力が強まっていた銀行株に根強い買いが入る展開となったことから底堅い値動きが続いている。また、ドル相場への警戒感が後退していることで、輸出関連も底堅い値動きとなったことも下支え要因となった。ただ、今晩の米企業決算や経済指標を見極めたいとの思惑もあり上値は限定的。
注目の為替相場は、ドルショートカバーが主導した。豪ドルは、対ドルでパリティ(等価)価格に到達したものの、1.00の心理的ラインがサポートとならず反落。この影響はユーロドルで1.39割れを誘発しただけでなく、クロス円へも波及し、ユーロ円は113.00のラインをブレイクすれば、豪ドル円は目先のボックスレンジ下限80.00トライの状況が続いている。
本日の主要経済指標
・21:30 カナダ・8月国際証券取扱高
・22:00 米国・8月対米証券投資
・22:15 米国・9月鉱工業生産
・22:15 米国・9月設備稼働率
・23:00 米国・10月NAHB住宅市場指数
米主要企業決算予定
・21:00 Citigroup Inc.( CN)
・市場引け後 Apple Inc.( AAPL.O)
・時間未定 International Business Machine (IBM.N), Halliburton Company(HAL)
要人発言&イベント
・25:55 米国・ロックハート:アトランタ連銀総裁、「経済について」講演
・ユーロ圏財務相会合(ブリュッセル)
欧米時間
欧州タイムでは売買の材料に乏しいことから、このままアジア時間の流れを引き継ぐ可能性がある。
本日の焦点は、米企業決算と米住宅関連指標だろう。為替、株式市場共に米金融緩和がメインテーマとなっているものの、先週末のバーナンキFRB議長の発言にセンシティブな反応を見せなかったところを見ると、市場では既に織り込み済みの感が強まっている。
むしろ、ゼネラル・エレクトリック(GE)の予想を下回る決算内容に敏感に反応しており、21:00に発表される米大手金融シティグループの決算内容に注視したい。予想EPSは0.06ドル(前回-0.27ドル)。市場予想を上回る内容となれば、マクロ面でのポジティブ要因と重なり、欧米株式は金融セクターを中心に、更に上値追いの可能性が強まるか。逆に期待を裏切る内容だと、絶好の利益確定売り材料と捉えられるシナリオも浮上する。
また、米住宅差し押さえ問題を背景に、米経済の牽引役である住宅セクターの動向が市場の関心を集めている点に着目すれば、23:00 に発表される10月NAHB住宅市場指数の結果如何で、米株が大きく利益確定売りへと傾く可能性もある。特に金融や住宅セクターに敏感に反応し易い米SPX500の値動きが、リスクトレンドを見極める上で重要となりそうだ。目先1184レベルが上値ポイントとして意識され続けるようだと、1170ラインを割り込み、1164(フィボナッチ38.20%戻し、1130-1184レンジ)が浮上する可能性も出てくる。
一方、為替市場は、米金融緩和によるドル安基調が基本トレンドと考え、米企業決算とそれを受けた株式の動向次第で、ショートカバーの流れが更に強まるか注目したい。
仮に株式市場でリスク回避地合いとなれば、高値圏で推移している商品相場へもその影響が波及し、等価水準(1.00)へと到達し達成感のある豪ドルを始め、1.40がテクニカル的なサポートとして機能しないユーロドルで、利益確定売りが強まる可能性がある。そのような展開となれば、クロス円でもユーロ円や豪ドル円を中心に調整色を強める一方、ドル円は介入警戒感もあり一度82.00ラインを目指すシナリオも浮上する。