ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン(GfK Japan)は15日、ビデオカメラの家電量販店店頭における9月の販売動向を発表した。それによると、ビデオカメラ市場は2010年に入り数量ベースで好調に推移し、9月は2009年比30.4%増を記録したという。
ビデオカメラ市場の好調の背景には、基本性能の向上と価格低下による買い替え需要の促進や、薄型TV移行に付随する波及効果などがあるとみられる。性能面では、SD画質からHD画質への移行、記録媒体の変化による小型・軽量化、手ブレ補正の進化など、ここ数年で飛躍的に向上。一方、価格面では2010年9月の平均単価は約5万5,000円となり、2009年9月と比べて約1万7,000円値下がりしている。性能面の大幅な改善に加えて低価格化が進んだことが、ユーザーの購買意欲を刺激したといえる。
また、地上デジタル放送移行やエコポイント制度により活発化する薄型TV移行に伴い、アウトプットデバイスであるTVの大画面化、高画質化が本格化。これにより、ビデオカメラの動画画質についても、TV再生時に見劣りしない画質を求める消費者の意識が高まったことも、好調の1つの要因として考えられる。
動画記録方式では、AVCHD方式の構成比がさらに伸張し、9月時点では数量構成比98%を記録。フルハイビジョン画質で動画記録ができるHD録画が標準となったほか、望遠機能も強化され、2010年9月の光学ズーム24倍以上モデルの数量構成比は、1年前から26%増の35.6%に達した。
記録媒体のトレンドは、ミニDV、DVD、HDDからメモリーカード主体の商品へと移行。中でもメモリーカード / 内蔵メモリの数量構成比は、2009年9月の65%から、2010年9月には93%と1年で大きく構成比を伸ばしている。また、駆動部分をなくすことでビデオカメラ本体の小型化が図られた結果、本体質量が300g未満の商品の構成比が増加。2009年9月では数量構成比22%と全体の3割にも満たなかったが、2010年9月では全体の同60%と大幅に伸張した。
このほか市場では、女性を意識したカラー展開に加え、3D撮影対応機やレンズ交換式モデルを発売するなどして、新たなユーザー層の拡大が図られている。