ASUSTeK Computerは10月14日、日本国内向けに2010年PC冬モデルの製品発表会を開催した。9機種16ラインナップが発表されている。この発表会に合わせ、本社から同社のチェアマンであるJonney Shih氏が来日し、戦略紹介の講演も行われた。
Shih氏はまず「新たなデジタル時代で世界のリーディングカンパニーを目指す」と発言。各国における調査でASUS製品の信頼性が支持されているというデータを示したほか、各国で取得した各種の賞、日本国内でも多くの製品でグッドデザイン賞を受賞したことなどを報告しながら同社の次世代製品が目指すキーワードとして、「美学の新しい基準・五感の新しい体験」を掲げた。五感の新しい体験では、心が動かされる「音の美しさ」、エコな工芸として「手作りの美しさ」、極限のパフォーマンスとして「視覚の美しさ」を紹介。音の美しさではBang & Olfusen ICEpower準拠のオーディオ機能、手作りの美しさでは竹素材を採用したノートブックなどが挙げ、これらを採用したPCが今期投入されることを紹介した。
ASUS製品は日本国内でも多くの製品がグッドデザインを受賞。このほか製品の機能や環境仕様などを含めた各国での受賞は2009年で3268個。1日あたり9つの賞を受賞した計算になるとのこと |
「五感の新しい体験」では3つの「美しさ」を追求。製品に反映させていく |
また、同社システムビジネスグループ ビジネスデベロップメントマネージャーのEmilie Lu氏が日本国内における戦略を紹介した。ASUSTeKが世界で認められたブランドであることを紹介しながら、日本国内における活動を振り返り、2010年はブランドの確立とラインナップの強化を図ることを紹介した。今期のモデルはこれまで以上のラインナップとなり、今回の発表会で紹介された新モデルは9機種16モデルになる。さらに、新製品の特徴については、同社ノートブックパソコンアカウントマネージャーのRay Wu氏が補足しており、大きくエコロジーな製品、マルチメディア志向の製品、クラウドに向けた製品が投入されるという。エコロジーな製品では竹素材を盛り込んだノート、マルチメディアではBang & Olfusenの音響技術を取り込んだノートや一体型デスクトップ、クラウドではEee PCがラインナップされる。
B&Oのデザインと音響を取りいれたPC
「NX90Jq」。キーボード面よりもひとまわり大きな液晶面にはスピーカーユニットを搭載 |
液晶パネルは18.4型ワイドのフルHD解像度。パームレストと液晶天板はアルミ製。一般的にはキーボード手前に置くタッチパッドは、本製品ではキーボードの左右にそれぞれ置かれどちらからも操作ができる |
「NX90Jq」は据え置きを想定したノートブック。大型かつ高機能で、デスクトップの置換えとインテリア性を追求した製品になる。デザインはBang & OlufsenのプロダクトデザイナーであるDavid Lewis氏によるもの。アルミニウムのボディや左右にタッチパッドを置くデザインなどとともに、もうひとつ音響でも「ASUS SonicMaster」によりBang & Olufsen製品と同等の品質を実現しているとする。その構成は雑音の少ないコーデックと、アンプが11W、32mm径のスピーカーを採用、チェンバーも108ccとノートブックとしては大容量を確保し、これにソフトウェアイコライザーで調整しているという。
主な仕様は、液晶パネルが18.4型フルHD、CPUがクアッドコアのIntel Core i7-740QM(1.73GHz)、グラフィックスはNVIDIA GeForce GT 335M、メモリが4GB(最大12GB)、HDDが1TB、光学ドライブがブルーレイコンボ、ネットワークが1000BASE-Tおよび802.11b/g/n、そのほかUSB 3.0×2基、eSATA、200万画素ウェブカメ等を搭載している。サイズは530×283×30~45mm、質量が約4.4kg、バッテリ駆動時間が約2.8時間。10月23日の発売で価格は209,800円。
竹素材を採用したナチュラルノート
「U33Jc」はパームレストと液晶天板に竹を使用したナチュラルなノートブック。竹の使用部分はスモーキーブラウンの落ち着いた色合いだ。CPUにはIntel Core i5-460M(2.53GHz)、グラフィックスにNVIDIA GeForce 310Mを採用し、NVIDIA Optimusテクノロジにも対応する。加えてASUS Super Hybrid Engineにも対応することで消費電力とパフォーマンスを両立する。液晶パネルは13.3型ワイドサイズで解像度は1366×768ドット。USB 3.0端子1基も搭載している。なお、日本のエコマークも取得している。
その他の仕様は、メモリが2GB(最大8GB)、HDDが320GB、光学ドライブは非搭載、ネットワークが1000BASE-Tおよび802.11b/g/n、200万画素ウェブカメラなども搭載している。サイズが328×232×22~33mm、質量は約1.8kg。バッテリ駆動時間は約8.5時間。発売は10月23日以降が予定されており、価格は109,800円。
カウンタックデザインの高性能ネットブック
「Eee PC VX6」同社のカウンタックデザインノートとしては6代目の製品となる。CPUはデュアルコアのIntel Atom D525で、NVIDIAのIONを組み合わせグラフィックスを強化、NVIDIA Optimusにも対応している。さらにBang & Olufsen ICEPower認定のオーディオシステムやUSB 3.0、Bluetooth 3.0等の機能を盛り込んだ、デザインだけでなく機能面でも充実したスペックを特徴としている。
主な仕様はCPUがIntel Atom D525(1.8GHz)、メモリがDDR3 SODIMM 2GB(最大4GB)、HDDが320GB、ネットワークが100BASE-TXと802.11b/g/n、液晶ディスプレイサイズが12.1型ワイド(1366×768ドット)、そのほか130万画素ウェブカメラ等を搭載している。サイズは297×204×23~38mm、質量は1.5kg。バッテリ駆動時間は約約5時間。発売は10月23日より。価格は74,800円。
そのほかの新製品
「N53Jf」は15.6型ワイドフルHDパネルを搭載したエンターテインメント向けノートブック。2スピンドル構成で500GBのHDDとブルーレイドライブを搭載し、そのほかUSB 3.0端子も搭載している。サイズは391×266×29~39mm、質量が約2.7kg。バッテリ駆動時間は約2.9時間。発売は10月23日で、価格はOffice 2010搭載モデルが154,800円、Office無しモデルが129,800円。
ネットブックのEee PCはVX6のほかに「1215N」「1015PEM」の計3モデル。1215NはデュアルコアIntel AtomにNVIDIA ION、1366×768ドットの高解像度液晶を組み合わせたパフォーマンス重視のモデル。一方の1015PEMはシングルコアIntel Atomと内蔵グラフィックスを使用することでバッテリ駆動時間を約9.2時間に延長したスタミナモデルだ。1215Nは10月23日の発売で価格は59,800円、1015PEMはOffice搭載モデルが10月23日以降の発売予定で価格が44,800円、Office無しモデルが10月23日発売で39,800円。
液晶一体型デスクトップは「ASUS All-in-one PC ET2400XVT」「同 ET2400I」「同 ET2011G」という3モデルが用意される。全てのモデルで地上・BS・110度CS対応のチューナーが搭載されており、日本国内でのエンタテインメント性を高めているのが特徴だ。フラッグシップのET2400XVTは23.6型パネルを搭載しタッチおよび3D Visionにも対応している。ET2400Iも23.6型パネルを搭載したモデル。最後のET2011Gは20型ワイドパネルを採用したコンパクトなモデルで、グラフィックにRadeon HD 5470を採用、Office 2010も標準搭載する。これら3モデルは10月23日以降の発売で詳しいスペックはまだ未確定。価格も未定とされている。