BCNは14日、全国の主要家電販売店から収集した実売データを集計する「BCNランキング」に基づいた、9月における録画機能付き薄型テレビなど高付加価値テレビの販売動向を発表した。
それによると、録画機能付き薄型テレビの販売台数構成比が9月に初めて3割を超え、30.1%を記録。販売金額は40.8%と、こちらも初めて4割に達した。薄型テレビは夏以降、価格の下落が目立ち、中でも売れ筋の30型台が年間で31%も下落するなど値崩れが激しく、全体でも28%と大きく価格を下げている。こうした中、高付加価値製品は価格下落のブレーキ役ともいえることから、録画対応製品は今後一層拡大するのではと同社は推察している。
9月の税抜平均単価を録画機能の対応・非対応モデルで比べてみると、非対応モデルでは6万3,500円と10万円を大きく割り込んでいる一方、録画対応モデルは10万1,800円と10万円台を維持している。録画対応モデルで最も多いのは、外付けHDD用USB端子のみを搭載した製品で、2009年の年末商戦から増え始め、7月に録画対応モデルの中で4割を突破。9月には46.5%を占めるまで拡大し、他を大きく上回っている。
9月の薄型テレビのメーカー別シェアをみたところ、シャープが全体の40.8%を占めて圧倒的な強さを保っているが、録画テレビに限ると東芝が42.0%で最もシェアが高くなっている。特にUSB端子のみの製品では東芝が81.0%を占めており、消費者にHDDと容量を自由に選ばせるという戦略が受け入れられていることが窺える。
HDDを搭載する同容量帯のレコーダー専用機と録画テレビをあわせた販売台数を100として、録画テレビの構成比をみると、最も録画テレビの構成比が大きかったのは300GB未満クラスで46.0%。次いで500GB~1TB未満のミドルクラスでも38.7%を録画テレビが占めた。一方、TB以上のクラスでは専用機がほとんどとなった。
そのほかの高付加価値テレビの販売状況については、液晶テレビではLEDバックライト搭載モデルが9月時点で42.6%に達し、年内にCCFLタイプを凌駕する勢いを見せている。話題の3Dは、メガネなど別売りの「レディ機」を含めても薄型テレビの2.5%にとどまっている。