日銀が14日発表した9月の国内企業物価指数(速報、2005年平均=100)は前年同月比で0.1%低下し102.8だった。2カ月ぶりの下落。前月比は横ばい。
企業物価指数は、企業間で取引される商品の価格に焦点を当てた物価指数で、景気動向や金融政策の判断材料を提供する目的がある。国内企業物価指数、輸出物価指数、輸入物価指数から構成されている。
長期間下落が続いていた同指数は、今年5月にプラスに転じ6月も上昇したが、7月には3カ月ぶりにマイナスになり、前月(8月)は訂正値で横ばいとなっていた。9月も資源価格の上昇がみられたが、その上昇幅(前年同月比)は縮小傾向にあり、「非鉄金属」7.4%、「鉄鋼」4.9%、「石油・石炭製品」3.0%となっている。一方製品価格は幅広い品目で価格低下がみられ、特に「情報通信機器」(-6.2%)、「電子部品・デバイス」(-4.2%)、「電気機器」(-3.4%)の下落が大きい。
前月比は3カ月連続で横ばいとなった。9月は「これまでの原材料の値上がりが転嫁された形」(日銀調査統計局)で、「鉄鋼」が0.7%上昇。「非鉄金属」も市況の影響で1.4%の上昇した。一方で「金属製品」は0.4%、「電気機器」は0.2%下落。「情報通信機器」、「電子部品・デバイス」、「輸送用機器」も0.1%の下落となっている。同局の担当者は「機械系は販売競争の激化で下落傾向にある」としている。なお「石油・石炭製品」も2.2%下落している。
輸出物価指数(円ベース)は83.8で、前年同月比マイナス5.0%、前月比はマイナス0.5%。輸入物価指数(同)は103.5で、前年同月比プラス2.8%、前月比マイナス0.1%。契約通貨ベースでは、輸出物価指数が前年同月比プラス1.6%の100.2、輸入物価指数が同プラス10.4%の127.7となっている。