Live Tileが並ぶWindows Phone 7のスタート画面。タイルはユーザーの任意でカスタマイズ可能。タップとドラッグによる簡単な操作で追加・削除、移動できる

米Microsoftは10月11日(現地時間)、米New Yorkで開催したOpen HouseイベントでWindows Phone 7スマートフォンをパートナーと共に発表した。米国では11月8日発売。今年のホリデーシーズンに世界30カ国以上の60を超えるモバイル通信キャリアから数多くの搭載製品が登場するという。

スマートフォンを通じてユーザーがよりシンプルかつ的確に大切な情報へアクセスできるように、MicrosoftはWindows Phone 7でインターフェイスを刷新した。各種情報やアプリケーションへのアクセスが「写真」「ピープル」「ゲーム」「音楽+ビデオ」「マーケットプレース(アプリケーション)」「Office」の"6つのハブ"にまとめられ、スタート画面ではライブタイル(Live Tile)と呼ばれるタイル状の大きなボタンを通じて、Webコンテンツ、エンターテインメントコンテンツ、友だちのアクティビティ、アプリケーションなど様々な種類の情報をユーザーがリアルタイムで把握・確認できる。またOffice Mobileを搭載し、Zune Passの音楽ストリーミングサービスやXbox LIVEを利用できるのも特徴だ。この日、Electronic Artsが「Need for Speed Undercover」「Tetris」「The Sims 3」「Monopoly」などの人気タイトルをWindows 7向けに提供すると発表した。

Windows Phone 7スマートフォンは、タッチスクリーンの外側に「スタート」「戻る」「検索」の3つのボタンを備える。検索機能を通じてユーザーは、コンタクト、電子メール、Web、Marketplaceなどスマートフォン内とオンライン上の様々な情報を引き出せる。同社が"Decision Engine"と呼ぶ検索サービスBingのモバイル版が、膨大なネット情報からユーザーが必要とする情報を効率的に提示してくれる。音声検索も可能だ。

11月8日に米国で登場する9製品を紹介するSteve Ballmer氏。幅広い選択肢をアピールした

米国での発表会では、Dell、HTC、LG、Samsungの9製品が紹介された。プロセッサにQualcommのSnapdragon QSD 8250 (1GHz)またはSnapdragon QSD 8650 (同)を搭載し、500万画素以上のカメラを装備するなどスマートフォンとしての基本性能は共通だが、メーカー独自のアイディアや機能がそれぞれの端末に加味されている。MicrosoftのCEO、Steve Ballmer氏は、ユーザー個々の必要に応えられる幅広い選択肢がWindows Phone 7スマートフォンの強みであると語った。例えばDellの「Venue Pro」は縦型のスライドキーボード、LGの「Quantum/Optimus 7Q」は横型のスライドキーボードを装備する。コンテンツを鮮明に表示するなら4.0型のSuper AMOLEDディスプレイを搭載したSamsungの「Focus」、オーディオ重視ならYamahaのスピーカーを用いたDolbyサラウンドサウンドを本体のみで楽しめるHTCの「Surround」が適している。

「Dell Venue Pro」。4.1型のAMOLEDディスプレイ(800×480)、縦型スライドのキーボードを搭載

「LG Quantum/Optimus 7Q」。横型スライドのキーボードを搭載。DLNA対応でメディア共有が可能

「Samsung Focus」。4.0型のSUPER AMOLEDディスプレイ(800×480)を搭載、厚みが109ミリ、重さが110グラムとスリムで軽量

「HTC Surround」。背面をスライドさせるとYamahaのスピーカーが現れ、キックスタンドで立てかけてSRSとDolbyサラウンドで映画や音楽を楽しめる

「HTC HD7」。発表済みのWindows Phone 7スマートフォンでは最大の4.3型のタッチスクリーン(800×480)を搭載。キックスタンドを装備する

Windows Phone Program Management担当のコーポレートバイスプレジデントJoe Belfiore氏によると、Windows Phone 7はファームウエアアップデートで機能が追加・強化される。今年のホリデーシーズンに販売されるWindows Phone 7スマートフォンではコピー&ペーストを利用できないが、2011年前半に提供するアップデートでサポートするという。