本田技研工業は10月8日、スモールカー「フィット」をマイナーモデルチェンジするとともに、「フィット ハイブリッド」を発売した。ハイブリッド車は燃費30km/Lを達成した。価格は通常モデルが123万円から169万8000円、ハイブリッドが159万円から210万円。
フィットは、センタータンクレイアウトを活かした広い室内空間や、多彩なシートアレンジ、優れた燃費などにより人気を得ているモデル。2001年6月から2010年9月までで、国内販売累計150万台を達成。世界約115ヵ国で、累計350万台以上を販売している。フィット ハイブリッドは、フィットをベースにハイブリッド化したもの。159万円の価格は、現在日本で販売されているすべてのハイブリッド車の中で、もっとも安価な設定となる。
ハイブリッド車は1.3L(リッター)i-VTECエンジンと軽量小型なIMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)を組み合わせたハイブリッドシステムを搭載。30km/Lの優れた燃費性能を達成した(10・15モード)。ハイブリッドのためのバッテリーやコントロールユニットを荷室下に収めることで、居住性やシートアレンジを犠牲にしない室内とした。また、ドライバーの低燃費運転を支援する「エコアシスト(エコロジカル・ドライブ・アシスト・システム)」を装備した。
エクステリアは、メッキ+クリアブルー塗装を施したヘッドライトやフロントグリルなどを採用し、先進&クリーンなイメージとした。インテリアは、シャンパンメタリック塗装の専用パネルや、低燃費運転の状況を表示するアンビエントメーターなどを採用した。
また、メーカーオプションの「Honda HDDインターナビシステム」は、通信費無料(装備された専用通信機器でのデータ通信のみ対象)のリンクアップフリーに、ルート配信が可能なインターナビ・ルートとエコアシストの機能を同時に採用した。
通常エンジンのフィットは、1.3L車は燃費性能や使い勝手を向上させ、1.5L車はそれぞれの個性を強化する変更を行なった。
1.3Lの「13G」「13L」は、21.0~24.5km/Lという優れた燃費を実現し(4WD車は17.2km/L)、ECONモードも採用した。また、従来モデルを見直し、さらなる装備充実と使い勝手向上を実現したほか、オプションでスムーズな駐車を支援する「Hondaスマートパーキングアシストシステム」が設定された。
上質感を追求した1.5Lの「15X」は、クロームメッキを施した専用フロントグリルやリアライセンスガーニッシュを採用。インテリアはブラウン基調の専用シート表皮やクロームメッキ加飾、高輝度メタリック塗装により質感を高めた。また、1.5Lエンジンの余裕あるトルクを活かしたCVTセッティングと、吸音・遮音性能の向上により、高い静粛性を実現した。
スポーティモデルの「RS」は、専用エクステリアデザイン、ブラック×オレンジの専用シート表皮や本革巻スポーツタイプ・ステアリングホイールを採用。サスペンション、EPS、エキゾーストシステムの専用セッティングや、6MTの初採用、CVT車のパドルシフトなどにより、ダイナミックな走りを実現した。
そのほか、フィットには助手席回転シート車が設定される。ベース車両のデザイン、乗り心地、ホールド性はそのままに、座面クッションの先端を滑らかにし、乗降性を高めるなど乗り降りのしやすさに配慮している。価格は138万4500円から176万100円。