昨日の海外市場

欧米株式は、そろって反落。マクロ面では、9月のドイツ新車登録台数が17.8%の大幅な減少となったことに加え、米経済指標が市場予想を下回ったことを背景に、投資家のリスク回避姿勢が強まった。またミクロ面でも、大手石油会社BP(BP.L)が原油流出事故に伴う処理で、約20億ユーロの社債を起債することが不安視され、エネルギー株を圧迫。商品価格が利益確定売り優勢の展開となったことから鉱山株の下落も合わさり、欧米株価指数全体を押し下げた。

株式市場でのリスク回避は、為替市場へも波及し、ユーロや豪ドルで利益確定売りの展開が強まっている。特にユーロドルは1.38のラインで反落したことから、本日のアジア時間でもレジスタンスとして意識されるか注目したい。

円相場もクロス円を中心にリスク回避の円買い基調が強まっている。反面、ドル円は、米金融緩和観測を背景に83円前半でのこう着状態に変化はみられず、アジア時間を迎えようとしている。

本日の主要経済指標

・時間未定(通常正午過ぎ発表)日銀政策金利発表

・09:30 豪・8月NAB企業景況感調査

・09:30 豪・8月小売売上高

・09:30 豪・8月貿易収支

・12:30 豪・RBA(豪準備銀行)政策金利発表

・16:15 スイス・9月消費者物価指数

・17:30 英国・9月PMIサービス業

・18:00 ユーロ圏・8月小売売上高

・18:00 ユーロ圏・EU四半期リポート

・20:45 米週間チェーンストア売上高

・21:55 米週間レッドブック大規模小売店売上高

・23:00 米国・9月ISM非製造業景況指数

要人発言

・08:30 米国・バーナンキFRB議長の発言

・12:30 豪・RBA(豪準備銀行)の声明発表

・16:30 日本・白川日銀総裁記者会見

・時間未定 日本・日銀声明発表

アジア時間

昨日の欧米株式が揃って反落したことで、本日アジア株式の寄りつきも軟調な地合いで始まる可能性が強まっている。9300のラインをトライしつつある日本225種の動向を見ても、アジア時間でのリスク回避姿勢が強まることを示唆している。

このトレンドを覆す要因としてまず注目したいのは、09:30に発表される豪8月の小売売上高だろう。既にRBA(豪準備銀行)による今回の利上げ観測は、市場で織り込み済みの感がある。将来の金融政策の動向探る上で、市場の関心が小売売上高へ集まる可能性があるため、まずは9時半以降の豪ドルの値動きに注視したい。

午後に入り、市場の注目があつまる日&豪の金融政策の内容が発表される。まず日銀金融政策決定会合に関しては、追加の金融緩和をどこまで推し進めるかが焦点となりそうだ。もはや追加の新型オペでは市場へのインパクトが薄いとの声も聞かれるため、国債の買い増しといった行動に日銀が踏み切るかどうかがポイントとなりそうだ。

また、12:30の豪金融政策も注目。市場はRBAの声明内容で将来の利上げ観測について探ってくるだろう。商品価格、特に金価格は連日市場最高値を更新すれば、産業に欠かせない銅価格は2年ぶりの高値圏まで上昇しており、こういったマクロ面を背景に今後もタカ派のスタンスを継続するかが注目される。RBAが利上げ継続スタンスを表明した場合、豪ドルの動向次第でアジア時間のリスクトレンドが決まる可能性がある。

仮にリスクテイクとなれば、円相場は豪ドル円を中心に再び円安へ振れる可能性が高まる。そうなれば日本225種の下支え要因にもなろう。

一方、ハト派スタンスを表明するようだと、前日欧米タイムからのリスク回避傾向を引き継ぎ、円買い基調が強まるか見極めたい。特に後者へ振れた場合は、ドル円と連動性の強い米2年債金利が0.407%と史上最低水準まで低下していることも考えると、83.00のラインを割れる可能性が一層強まる可能性が出てくる。そうなれば、市場では介入実施へ更に神経戦の様相を強めるため、昨日同様ドル円が急騰する可能性もある点には常に注意しておきたい。

ドル円 日足

日本225種株価指数 日足