スタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシズ(S&P)は1日、あいおいニッセイ同和損害保険に、「AA-」の長期カウンターパーティ格付けと保険財務力格付け、ならびに「A-1+」の短期カウンターパーティ格付けを付与したと発表した。長期カウンターパーティと保険財務力格付けのアウトルックは「安定的」。

同時に、あいおい損害保険とニッセイ同和損害保険の格付けを取り下げた。両社が10月1日付で合併し、あいおいニッセイ同和損害保険が発足したことを受けたもの。

S&Pでは、あいおいニッセイ同和損害保険の格付けについて、「MS&ADインシュアランスグループの中核事業子会社としての同社の地位と、同社のトヨタ自動車や日本生命保険との関係に支えられた高い競争力、強固な自己資本基盤に支えられている」としている。

一方で、収益性が海外の大手保険グループに見劣りすることや、国内損保市場では限られた成長余地や厳しい競争、不安定な運用環境により厳しい事業環境が続いていることが、「格付けの制約要因となっている」とみている。

S&Pは今後、国内損保事業の収益性の改善や、生保・海外事業などの貢献によりMS&ADインシュアランスグループの収益力が向上した場合には、「同社を含むグループ各社の格付けを引き上げる可能性がある」。

一方、同グループの収益性が大きく低下したり、保険引き受け面での収益力の低下や運用環境の悪化により同グループが現在の中核子会社の格付けに見合う自己資本水準を維持できなくなった場合には、「格付けを引き下げる可能性がある」(S&P)としている。