経済産業省は30日、8月の鉱工業指数(速報)を発表した。鉱工業生産指数(2005年=100)は前月比0.3%低下の94.5(季節調整済み)だった。3カ月連続の低下(前年同月比は15.4%の上昇)。出荷指数と在庫率指数は低下、在庫指数は上昇した。同省は基調判断を前月までの「持ち直しの動きで推移しているものの、足踏みの動きもみられる」から「生産は横ばい傾向になっており、先行きについては弱含んでいる」に下方修正した。

鉱工業生産指数は、景気判断で最も重要な指標のひとつで特に速報値は注目度が高い。8月の鉱工業生産指数で上昇に寄与した業種は、一般機械工業、鉄鋼業、その他工業等だった。品目別では、反応用機器、アクティブ型液晶素子(大型)、普通トラックの順に低下に寄与している。

出荷指数は前月比0.5%低下の96.0(前年同月比は16.2%上昇)で2カ月連続の低下。低下に寄与した業種は、輸送機械工業、一般機械工業、その他工業等だった。

一方、生産された製品が出荷されずに生産者の段階に残っている在庫の動きを示す在庫指数は、前月比0.7%上昇の97.9で2カ月ぶりの上昇(前年同月比は2.5%の上昇)。在庫の上昇に寄与した業種は電子部品・デバイス工業、一般機械工業、情報通信機械工業等だった。在庫とその出荷の比率をみることにより、製品の需要状況を示す在庫率は、前月比0.9%低下の107.2で2カ月ぶりの低下(前年同月比は14.2%の低下)となっている。

同時に発表した製造工業生産予測調査は、9月は前月比0.1%の低下、10月は同2.9%の低下となっている。

※注 : 生産指数、出荷指数、在庫指数、在庫率ともに季節調整済みの数値