UQコミュニケーションズは29日、都内でプレス向けの説明会「第2回UQコミュニケーションサロン」を開催した。今回は同社代表取締役社長の野坂章雄氏から「WiMAX より速く」と題したプレゼンテーションが、続いてネットワーク技術部長の要海敏和氏からWiMAX 2の概要やWiMAXとDC-HSDPAの比較説明などが行われた。
野坂氏によればUQの利用者の状況は、この9月末で33万加入の見込みだという。同社では2010年度末の目標を80万契約としているが、このまま順調に推移すれば達成されると見ている。基地局数は、9月末で11,000局に到達。今年度末の目標は15,000局で、こちらも予定通り増え続けているという。
デバイス比率は現在、データ通信カードが7割前後を占めており、Wi-Fiルーター、WiMAXパソコンの順に続いている。今年の5月にiPadが発売されてからは、ルーターの売り上げがとても好調だという。同社では、今年度末(2011年3月)にはデータ通信カードの売り上げは落ち着き、Wi-Fiルーター、WiMAXパソコンの売り上げが主流になってくると見ている。
10月1日からは、WiMAXを内蔵するパソコンとWiMAX契約、パケット定額サービスが一緒になった「WiMAX PCバリューセット」が提供される予定。0円から始まり上限が4,600円のプラン「UQ Step」と、フラット定額で一律4,480円のプラン「UQ Flat」が用意されている。
野坂氏はWiMAXにおいては高速化が差別化の大きな要素であることを強調した上で、現在「WiMAXは40Mbps、DC-HSDPAは42Mbps」と誤って比較されていることについて言及した。
DC-HSDPAは、イー・モバイルが提供予定の新サービスに使用される規格。3G(W-CDMA)の下り速度高速化技術HSDPAによる通信を2チャネルで行うことで、従来の下り21Mbpsの速度を倍増させ最大42Mbpsを実現するというもの。
WiMAXの40Mbpsという値はエラー訂正を考えた値であり、DC-HSDPAの42Mbpsという値はエラー訂正がない(実際には有り得ない)ときの値なのだという。つまり、同じ符号化率で比較するならば、WiMAXは48Mbps、DC-HSDPAは42Mbps(ともにシステム上の最高速度)であるとのことだった。
同社はCEATEC JAPAN 2010(10月5日から、幕張メッセにて)においてブースを出展し、次世代超高速モバイル通信「WiMAX 2(IEEE802.16m)」の公開デモを実施する予定。そのWiMAX 2の概略についても簡単に説明があった。
WiMAX 2は、WiMAXを高速・大容量化させた高速データ通信規格で、下り最大330Mbps、上り112Mbpsの高速通信を可能にする。高速移動性も改善されており、時速350km以上で移動しながらでも通信が可能であるという。同社では来年の3月にフィールド実験をし、2012年には実用化させたい考えだ。CEATEC JAPAN 2010のブースでは、ハイビジョン映像16画面に加え3D映像などを用意し、それらを16mの端末につないで一気に稼働させるという世界初の超高速通信のデモが行われる予定。330Mbpsの世界をいち早く体感したいユーザーにとっては、良い機会となるだろう。