『宇宙戦艦ヤマト』や『銀河鉄道999』、『秘密戦隊ゴレンジャー』など、数多くのアニメ、特撮ソングでおなじみのささきいさおが、今年2010年にデビュー50周年を迎えるのを記念したシングル「風の会話」が2010年7月7日にコロムビアミュージックエンタテインメントよりリリースされた。

本作は、現在テレビ大阪・テレビ東京ほかにて放送中で、10月からは全国のケーブルTVやスカパー!などで視聴可能なCS放送局「キッズステーション」にて放送開始となるTVアニメ『最強武将伝・三国演義』の主題歌。作詞には、ささきいさおのアニメソング代表曲である「宇宙戦艦ヤマト」以来、数々の名曲を提供してきた故・阿久悠氏が出版した「書き下ろし歌謡曲」(1997刊)から「風の会話」を預かり、鈴木キサブロー氏が作曲、そして故・羽田健太郎氏の教え子である山下康介氏が編曲を担当するという、ささきいさおの50周年、そして三国演義の壮大なスケールに相応しい楽曲となっている。

10月からはキッズステーションでも放送開始となるTVアニメ『最強武将伝・三国演義』

そこで今回は、デビューからの50周年を振り返りつつ、記念シングル「風の会話」、そして自らも呂布役として出演しているTVアニメ『最強武将伝・三国演義』について、ささきいさおが語ったメッセージを紹介しよう。

ささきいさおが語るTVアニメ『最強武将伝・三国演義』主題歌「風の会話」

――まずは50周年を迎えた感想をお願いします

「あまり自分ではピンと来ていないんですよ。ロカビリーをやったり、映画をやったり、演劇をやったり……、本当にいろいろと廻り道をしながら、その中で悪戦苦闘をしてきたので、『え、もう50年も経っちゃったの?』というのが正直な感想です」

呂布のフィギュアを手にするささきいさお

――ささきさんのデビューはロカビリーですよね?

「そうですね。まずロカビリーでデビューして、それから1年くらい映画に行き、戻ってきてから、またしばらくは役者をやっていました。その役者をやっているときに、発声を基礎からすべて習い直したんですよ。それで、さあそろそろまた歌をやりたいなと思っていたときに、ちょうどアニメの仕事が舞い込んできました」

――アニメの歌ということで何か抵抗のようなものはありましたか?

「全然なかったですね。逆に言えば、発声からすべてをやり直したので、とにかく歌をやってみたかったんですよ。アニメソングといっても、あの頃の作品はお腹の底から叩きつけるような歌が多かったので、ちょうど良いのではないかと思いました。歌のスタイルも、ちょっと軍歌調が残りつつ、ロックっぽいものも入っていたりして、僕が育った時代の感覚にマッチしていたんですよ。だから、これはいけるかなっていう感じで、抵抗というよりも、うれしいという気持ちのほうが強かったですね」

――アニメソングを歌い始めた頃の思い出などはありますか?

「僕がアニメの歌を盛んに歌っていたころは、まだカラオケがなくて、曲はすべて譜面で渡されるんですよ。なので、自分でピアノを弾きながら、どうやって歌おうかと自分で考えて、それからスタジオに行く。歌い始めて5、6年は、すごく勉強になりました」

――譜面しかなかったんですね

「そう。だから全然歌のスタイルがわからない。特にアレンジはまったくわからないので、スタジオに行ってすぐに歌えるように、自分で何通りもパターンを考えるんですよ。それが本当に勉強になりました。だから、曲調によっては、今度はエルビスっぽくやってみようとか考えるわけですよ。ゴレンジャーあたりの一連の曲は、完全にエルビスで行こうって思っていたんですけど、それを(渡辺)宙明先生にも面白いと言っていただきまして。それまでにいろいろと勉強してきたものが本当に役立ちましたね。正統発声もちゃんと習っていたので、『ヤマト』も怖くなかったです」

――アニメソングは、いろいろなことを試せるフィールドという感じですね

「だからすごく面白かったんですよ。ロックあり、軍歌あり、バラードあり、歌謡曲ありと、本当にありとあらゆるジャンルが集まっていましたから。特に挿入歌は、ひとつの番組の中で10曲ぐらいあって、そのうちの6~8曲ぐらいを僕が担当するわけですが、そこには本当にいろいろなスタイルの曲がある。僕は歌謡曲も歌ってみたかったので、ちょうど良かったと思います」

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