Windows 7の「ライブラリ」とは?
PC作業を続けていくと、ファイルの保存場所は次第に分散していく。自分だけが使うファイルなら「マイドキュメント」フォルダーに保存すれば良いが、同一のPC内やネットワーク上でファイルを共有したい場合は「共有ドキュメント(パブリックのドキュメント)」フォルダーにファイルを保存するだろう。また、バックアップ用に外付けHDDにファイルを保存していることもある。
しかし、ファイルの保存場所が分散すると、後からファイルを探す時に「あのファイルはどこに保存したんだっけ?」という事態に陥る可能性が高い。ファイルを探して、いくつものフォルダーを開くというのは、いかにも時間の無駄である。必要な時に、必要なファイルをパッと見つけられる。そういうPCの使い方をしたいものだ。
Windows 7では、「ライブラリ」と呼ばれる新しいフォルダー管理機能が使われている。これは、複数に分散しているファイルの保存場所を仮想的な一つのフォルダーにまとめる機能である(図1)。ライブラリを活用することで、ファイルの保存場所がバラバラであっても、必要な時にすぐにファイルを見つけることができ、PC作業の効率を向上させることが可能だ。本稿ではこの便利な機能を改めて使ってみる。
ライブラリを使ってみよう
それでは、さっそくライブラリを使ってみよう。ライブラリは、タスクバーに表示されている「エクスプローラー」のクイック起動アイコンからすぐに開くことができる(図2~7)。
図2 タスクバーにある「エクスプローラー」のアイコンをクリック |
図6 ダイアログが表示され、「マイピクチャ」と「パブリックのピクチャ」の2つのフォルダーがライブラリに登録されていることがわかる |
図7 [追加]ボタンをクリックすれば、他のフォルダーをライブラリに登録することが可能である |
複数のフォルダーに保存されているファイルを一元管理できるライブラリでは、どのフォルダーに保存されているかに関係なく、日時やファイルの種類によってファイルを整理できる(図8~10)。
図10 ドキュメントライブラリでは、ファイルの種類ごとにまとめて表示することが可能 |
ライブラリを高速検索
PC内のファイル検索を高速化するインデックス作成機能は、Windows Vistaからは標準機能となっている。このインデックス作成機能はWindows 7でも使われていて、ライブラリ内の検索も高速に実行できる(図11~12)。
図12 ファイル名だけでなく本文に含まれる単語や作成者名などでも検索が可能 |
なお、ライブラリに追加できるフォルダーは、インデックスが作成可能なものになる。外部ディスクの場合、エクスプローラーで「コンピューター」を開いた際に、「ハードディスクドライブ」に表示されていることが条件になる(図13)。「リームバブル記憶域があるデバイス」に表示されるUSBメモリなどは、ライブラリに追加できない。
ライブラリにファイルを移動する場合
ここまでは、ファイルを探し出す時のライブラリの使い方を見てきたが、反対にファイルを保存する場合に、ライブラリをどのように活用していけばよいのだろうか。デスクトップなどに一時的に置いていたファイルをローカルPCの別の場所に移動することも多いだろう。
Windows 7では、エクスプローラーを起動した時に、最初に開くのがライブラリであり、デスクトップにあるファイルの移動先として、もっとも手軽だと言える。しかし、ライブラリは複数フォルダーをまとめた仮想的なフォルダーである。果たして、ライブラリにファイルをドラッグ&ドロップした時には、どのフォルダーに保存されるのだろうか。さっそく見てみよう(図14~16)。
ライブラリにファイルをドラッグ&ドロップした際、ファイルが保存されるのは、ライブラリを設定するダイアログで「既定の保存場所」と表示されているフォルダーである(図17)。これを変更する場合は、ダイアログでフォルダー名を選択し、コンテキストメニューから[既定の保存場所に設定]をクリックすれば良い(図18)。
図17 ライブラリに移動したファイルは、「既定の保存場所」のフォルダーに保存される |
図18 既定の保存場所を変更することも可能である |
デフォルトでは、ライブラリは「ドキュメント」、「ピクチャ」、「ビデオ」、「ミュージック」の4つだが、自分で新たなライブラリを作成することも可能だ。エクスプローラーでライブラリを開いたら、余白を右クリックし、コンテキストメニューから[新規作成]の[ライブラリ]を選択する(図19)。すると、新たなライブラリが作成されるので(図20)、あとはフォルダーを追加して利用していく。
ライブラリを活用した効率化がイメージできただろうか。これで、ファイルの保存先が複数でもライブラリにまとめておけば、ファイルを探す際に迷うことはなくなる。目的に合わせて積極的にファイルの保存先を分散させることで、タスクベースのファイル管理が可能になる。