サイバーエージェントFXは16日、井上義教氏によるWebセミナー『リアルチャートリーディングセミナー』を開催した。同セミナーでは、ボリンジャーバンドを中心に、テクニカル分析の利用法や実際のチャートの読み方について指南した。

はじめに、井上氏は日銀の為替介入について言及。「円高トレンドから円安に転じたかといえばまだ早い。デフレの状況に変わりはなく、介入は時間稼ぎ。川の流れをダムでせきとめているぐらいの価値しかない。いずれ円高に行くだろう」と述べた。

トレードにおける心構えとして、井上氏は「ポジションを作るときは順張りで行い、成行、逆指値で仕掛ける。気をつけてほしいのは、指値で仕掛けてはならないということ。指値注文が約定する時は相場の流れに逆行しているから」と話した。一方の利食いは「逆張りでOK。指値でいい」とした。

オンラインセミナーの様子

さらに、井上氏は「チャートをみて弱そうなら成行で売る、強いと思ったら買う」というシンプルな思考法がトレードの基本であることを強調。また、「売られているところを売る、買われたところを買う勇気が必要。その勇気がお金に変わる」と激励した。ストップロスについては、必ず成行で執行すること、そして仕事や寝ている時は、事前にストップロスの注文を出しておくことが大事であると述べた。

また、ナンピンについて「キャピタル狙いのナンピンはナンセンス。ナンピントレードしているうちは勝てない」と持論を展開。また、ドルコスト平均法はケガのもとであるとした。ロスカットについては「自分の身を守るための唯一の戦略」とし、底かもしれないと思っても目をつぶって成行で損切るべきだと語った。

一方、利食いについては「自分の評価益を自分でつみとる行為だから、損切りに比べて難しい」と井上氏。「強いと思って買い、値段があがったところでさらに買う。一方、値段が下がると思って売って、下がったらさらに売る。そうすることでより収益性が高まるが、売り持ち、買い持ちが膨らんでいく。最終的に利食いの注文を出さないと絵に描いた餅になってしまう」と注意した。

利食いのタイミングとしては、(1)ボリンジャーバンドを使う、(2)過去の移動平均線からの乖離幅(率)を参考に目処を立てるという2つの戦略を紹介。ボリンジャーバンドの利用におけるポイントとしては、標準偏差の考え方を過信しないこと、補助的な利用を心がけることなどを挙げた。補助的な利用としては、トレンド発生時の相性がよいとして、MACDとの併用を薦めた。

なお、ポジションを作る際には逆張りトレードを行わないが、ポジションを閉じる際には逆張りでも可能であるとした。また利食いの方法としては、皆が意識しているポイントの少し手前で利食うのが基本とした。

チャートリーディングでは、「一番強い通貨を買って、弱い通貨を売ればいい」として、通貨ペアごとに強いか弱いかを判断していった。16日時点の結果として井上氏は「オージー円は、過去の値幅、売買価格帯と現在のレベルを比較して考えると真ん中より上にいる。ドル円と比較しても強いことがうかがえる」と述べた。その他通貨ペアでは、ユーロドルが強いと話した。

チャートリーディングで使用したオージー円のチャート

最後に、井上氏は「通貨であればドル、ユーロ、円の3通貨をみて一番強いものを買う、弱いものを売る。こういうことを徹底した方が良い」とした。FXについて、井上氏は「教科書どおりにやるのが基本。トレンドがわかりやすいところだけ入る。それが理想。もうけたいところだけ思い切ってやってみる。そういうメリハリが必要なのではないか」とした上で「大きなロットで人生をかける必要はない。FXは小さなロットではじめれば、お小遣い稼ぎにはもってこいの商品なので、リスク管理しっかりして、負けてもまたチャレンジしてほしい」とオンラインセミナーに参加した個人投資家に呼びかけた。

なお、井上氏の次回セミナー日程は下記URLより確認できる。
http://www.cyberagentfx.jp/gaikaex/event/

※ 本記事はサイバーエージェントFXのセミナーについて、マイコミジャーナル編集部が取材を行った取材記事です。実際に外国為替証拠金取引(FX)を行う場合は、自己の責任において行うようお願いいたします。