「東京ゲームショウ2010」(TGS2010)の初日となる9月16日、「日本ゲーム大賞2010」(社団法人コンピュータエンターテインメント協会)の表彰式が開催された。年間作品部門の大賞は『New スーパーマリオブラザーズ Wii』、経済産業大臣賞には「ドラゴンクエストシリーズ」の生みの親であり、最新作『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』で日本にすれ違い通信ブームを巻き起こしたゲームデザイナー・堀井雄二氏が選ばれた。

司会を務めるのはいつものように伊集院光

CESA会長の和田氏の挨拶で表彰式は始まった

経済産業大臣賞は堀井雄二氏、次回作の構想もチラリ

経済産業大臣賞を受賞した堀井氏は、「『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』を作るのは大変でしたが、スタッフに助けられ完成させることができた思い出深い作品です」と述べ、司会の伊集院光から次回作についての話題を振られると「言えないんですよ。(構想が)あるから言えないんです。逆に何もなければ言えるんですけど」とニヤリ。すでに次回作が具体的に動いていることを示唆した。

ドラクエXの発表も近い……のか?

年間作品部門の各部門賞が決定!

2009年4月1日から2010年3月31日までに日本国内で発売されたゲームタイトルを対象とした年間作品部門には、いくつかの部門賞が用意されている。まずグローバル賞日本作品部門では『Wii Sports Resort』、グローバル賞海外作品部門では『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア2』、そしてベストセールス賞では再び『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』が受賞するという結果になった。

任天堂の手塚氏は『Wii Sports Resort』の受賞について「投票コメントを拝見して、『リゾート気分を味わえた』というのはうれしかった。これからも家の中で様々な体験をできるものを作りたい」とコメント。『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア2』では当日出席できなかったActivisionとInfinity Wardに代わり、日本販売元であるスクウェア・エニックスの小林氏が「オリジナルのスタッフも受賞を非常に喜んでいました」と述べた。また、『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』の表彰ではプレゼンターとして本作から「ドラゴンクエスト」シリーズにハマったというユーザー代表の女性が登場。これには堀井氏も顔をほころばせていた。

任天堂の手塚氏

スクウェア・エニックスの小林氏

ユーザーからトロフィーを受け取る堀井氏

新設ゲームデザイナーズ大賞は『HEAVY RAIN -心の軋むとき-』

今年から新設されたゲームデザイナーズ大賞には『HEAVY RAIN -心の軋むとき』が選ばれた。同賞について、設立者であるソラ代表の桜井政博氏は、「日本ゲーム大賞(の選考)はユーザー投票のため、市場の大きいものが強く、ゲームを作るうえで一番大事な独創性が評価軸に欠けている」と説明。実際に会場で同作をプレイしながらその魅力について語った。

ゲームデザイナーズ大賞の選考を務めたのはご覧のそうそうたる顔ぶれ。『HEAVY RAIN -心の軋むとき-』はユーザー投票70位ながら選考委員の投票では圧倒的1位に。写真右は、同作の開発元Quantic Dream社のデビッド・ケイジ氏

これに開発元であるQuantic Dream社のデビッド・ケイジ氏は、「ゲーム業界で重要な役割を果たし、尊敬するクリエイターのいる日本で受賞することができてうれしい」とコメントしていた。

日本ゲーム大賞は『New スーパーマリオブラザーズ Wii』

そしていよいよ日本ゲーム大賞の発表へと移り、まずは優秀賞が発表となった。選ばれたのは次の11作品だ。

  • イナズマイレブン2 脅威の侵略者 ファイア/ブリザード (レベルファイブ)
  • Wii Sports Resort (任天堂)
  • トモダチコレクション (任天堂)
  • ドラゴンクエストIX 星空の守り人 (スクウェア・エニックス)
  • New スーパーマリオブラザーズ Wii (任天堂)
  • FINAL FANTASY XIII (スクウェア・エニックス)
  • BAYONETTA(ベヨネッタ) (セガ)
  • ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー (ポケモン)
  • モンスターハンター 3 (カプコン)
  • ラブプラス (コナミデジタルエンタテインメント)
  • 龍が如く4 伝説を継ぐもの (セガ)

この中から大賞に選ばれたのは、『New スーパーマリオブラザーズ Wii』。シリーズ初となるマルチプレイを採用し、協力や駆け引きといった要素を追加。世代を超えてみんなで一緒に遊べるという点が評価されての受賞となった。

家族で一緒に遊べるのがマリオの魅力

『Wii Sports Resort』に続いて登壇した手塚氏は、「スーパーマリオができて今年で25年。このような機会に受賞できてスタッフ共々たいへんうれしく思っています。投票してくれた方のコメントには1歳から80歳までいて驚きました」。プレゼンターを務めたのはユーザー代表の家族連れで、改めてマリオシリーズのユーザー層の幅広さを実感する授与式となった。

来年はどんな作品に出会えるのか、今から楽しみだ