アディダス ジャパンはこのほど、『BE FASTER<より速く、より強く>~世界レベルのフットボールを考える会』と題したセミナーを開催した。ゲストに2010FIFA ワールドカップ南アフリカ大会で主審を務めた国際審判員・西村雄一氏と、元サッカー日本代表で解説者の小倉隆史氏が招かれた。
南アフリカ大会ではベスト16という結果を残した日本代表。4年後のブラジル大会でさらに飛躍するために何が必要かを探るべく、アディダス ジャパンは「世界レベルのフットボール」をテーマにアンケートを実施した。対象となったのは、現在ドイツのブンデスリーガで活躍中の香川真司選手(ボルシア・ドルトムント)、内田篤人選手(FCシャルケ04)、矢野貴章選手(シュポルト・クラブ・フライブルク)ら、ブラジル大会での活躍が期待される選手ら。アンケートの結果は、「2014年に向け、サッカー日本代表には『的確な判断力』に基づくスピードが必要」というものだった。
同大会で4試合の主審を担当し、準決勝と決勝で第4審判員に選ばれた西村氏も、世界レベルの「的確な判断力」を目の当たりにしたという。自身が主審を務めたグループHのスペイン対ホンジュラスについて、「スペインは初戦を落として追い込まれた状況なのに、パスが正確で速いんです。それとビジャ選手の先制点は、ドリブルした後で立ち足を踏み込まずにシュートしていて、あれは素晴らしい判断でしたね。踏み込んでいたらディフェンスに当たっていただろうと思います」と振り返った。
一方、小倉氏は「的確な判断力」に基づくプレーとして、今月4日に行われた日本対パラグアイでの香川選手のゴールを挙げ、「中村憲剛選手からボールが渡った時点で、両選手ともイメージを共有できていたと言うんですよ。スピードと技術、そしてイメージの共有というものが凝縮されていて、これからの日本代表を象徴するゴールだったと思います」と絶賛した。
アルベルト・ザッケローニ新監督の下で戦う今後の日本代表について、小倉氏は「次のブラジル大会でベスト8に進むために、チームワークの良さは継続しつつ、細かいところを突き詰めながら前に行くサッカーで勝ってほしい」とコメント。西村氏も、「強い国のレフェリーであることは、レフェリーのステータスとしても必要不可欠なこと。日本代表もどんどん攻撃を高めて、次のステップへ進んでほしいですね。日本が決勝に残れば、私は(決勝の審判団に入れないので)早めに国に帰れますから (笑)」と、国際審判員ならではの言葉でエールを送った。