日銀が10日発表した8月の国内企業物価指数(速報、2005年平均=100)は前年同月比で横ばいの102.8だった。前月比でも横ばい。
企業物価指数は、企業間で取引される商品の価格に焦点を当てた物価指数で、景気動向や金融政策の判断材料を提供する目的がある。国内企業物価指数、輸出物価指数、輸入物価指数から構成されている。
中国をはじめとする新興国の景気拡大で資源価格の上昇が続いているが、その上昇幅は徐々に縮小。8月の上昇幅(前年同月比)は「石油・石炭製品」8.1%、「非鉄金属」7.2%など、いずれも10%未満となった。一方で「情報通信機器」(-6.3%)、「電子部品・デバイス」(-4.6%)、「電気機器」(-3.3%)、「輸送用機器」(-2.7%)などは下落。自動車部品や携帯電話、カラーテレビ、ディスプレイ類など幅広い品目で価格が下がっているという。日銀の担当者は「市況製品が上がり、機械類が下がっている傾向は続いているが、前年比でみると市況製品の上昇幅は落ち着いてきている」と話している。
輸出物価指数(円ベース)は84.1で、前年同月比マイナス6.8%、前月比はマイナス1.4%。輸入物価指数(同)は103.5で、前年同月比プラス1.8%、前月比マイナス2.0%。契約通貨ベースでは、輸出物価指数が前年同月比プラス1.3%の99.9、輸入物価指数が同プラス11.2%の126.4となっている。