BlackBerryの製造開発で知られるカナダのResearch In Motion (RIM)が、スマートフォン上でMicrosoft Office文書の閲覧や編集を可能にするアプリを開発している米DataVizを実質的に買収したことが、All Things DigitalのDigital Dailyなど複数のメディアの報道で9月7日(米国時間)に判明した。DataVizは現在、主力製品の「Documents To Go」をiPhoneやAndroid、BlackBerry向けに提供しているが、RIMの買収によりBlackBerry版が無償化され、競合ライバルとの差別化に利用されるのではないかという予測が持ち上がっている。

RIMによるDataViz買収の噂は先週末から持ち上がっていた。これはDataVizがwebOS版Documents To Goの開発中止を発表したことを受けたもので、その理由がRIMによる買収ではないかという話だ。RIMでは買収に関する詳細は発表していないものの、DataVizの多くの資産を購入し、同時に従業員の多くがRIMへと入社することになると認めている。つまり完全な買収ではないものの、ほぼそれと同義の状態ということだ。また買収金額については、CrackBerryが5000万ドルという金額を報じているRIMは先月末にもアプリ配信システムを開発するCellmaniaの買収を行っており、近年M&Aを活用して急速にBlackBerryのプラットフォーム強化に乗り出している。前述のwebOS版Documents To Go開発中止やそのBlackBerry版無償化と合わせ、メーカー各社の競合が激化してきている様子がうかがえる。