内閣府は8日、8月の景気ウォッチャー調査の結果を発表した。3カ月前と比較した景気の現状に対する8月の判断DIは、前月比4.7ポイント低下の45.1となり、2カ月ぶりに低下した。急激な円高で輸出環境が悪化したことなどが要因。内閣府は同調査の判断の表現を「景気は、引き続き厳しい中で、持ち直しの動きがこのところ緩やかになっている」に下方修正した。下方修正は、ドバイショックでマインドが落ち込んだ昨年11月以来。
家計動向DIは、前月比4.5ポイント低下の44.9。「猛暑の影響もあるだろうが、街の人出は途絶えてしまい、売上に結び付かない。バーゲンも不振であり、秋物も動かず、良い材料がない」(北関東/商店街)といった声が聞かれた。業種別では、特に飲食関連が前月比9.0ポイント低下の36.8と落ち込みが厳しく、住宅関連も同6.4ポイント低下の39.2で40を割りこんだ。小売関連は4.2ポイント低下の46.7、サービス関連が同3.4ポイント低下の44.6だった。
企業関連(42.7)は特に落ち込みが激しく、5.5ポイントも低下。製造業・非製造業別にみると、製造業が3.8ポイント低下の45.4、非製造業が7.5ポイント低下の40.2だった。「3カ月前までは取引先の間に回復感もあったが、エコポイント制度やエコカー補助金の終了、製造業では円高の進行などで、完全にマインドが悪化している」(近畿/経営コンサルタント)など、厳しい声が上がった。
雇用関連DIは4.2ポイント低下の51.3。電機・自動車関連等の製造業で求人はみられるものの、正規職員の採用を中心に企業の慎重な態度が続いていることなどから低下した。
2~3カ月先の景気の先行きに対する判断DIは前月比で6.6ポイント低下の40.0(4カ月連続の悪化)。昨年12月(36.3)以来の低水準となった。エコカー補助金制度の終了が乗用車の販売や生産・雇用面に与える影響や、円高・株安などが景気全般に与える影響を心配する声が多かった。家計関連が6.6ポイント低下の39.6、企業関連が6.8ポイント低下の39.1ポイント、雇用関連が6.8ポイント低下の44.5となっている。