ローランドは、新製品発表会「ローランド ニュープロダクツ・ミーティング 2010」を、表参道ヒルズ内スペース・オーにて開催した。
ローランド代表取締役社長、田中英一氏の基調講演で幕を開けた本イベント。シンセサイザーをはじめ、デジタル・ピアノ、ギター・アンプ、エフェクター、DTMP関連製品など多数の新製品が一挙に公開された。また、ゲストミュージシャンによるデモンストレーション、ライブパフォーマンスなども行われ盛り上がりを見せた。
ローランドの今後の戦略プラン
田中氏は、イベント冒頭の基調講演において、昨今の楽器ビジネスを取り巻く状況を解説、現在のマーケットを活性化するための同社の取り組み、今後の戦略プランなどについて紹介した。また、映像機器関連ブランド「EDIROL by Roland」、および業務用音響機器ブランド「RSS by Roland」を、2010年9月以降、多くの分野で認知され信頼性の高い「Roland」ブランドへ順次統合することを発表した。さらに、本発表に伴い「Cakewalk by Roland」は、ソフトウェアに特化したブランドに変更。今後は、ブランド集約により投資の効率化をはかりながら、訴求力強化と価値向上を推進していくという。
ローランドの新製品群発表
今回の新製品発表で、まず紹介されたのがBOSSブランドのコンパクトエフェクター「ST-2」と「PS-6」。ST-2は、ビンテージ・スタックアンプの弾き心地やパワー感が心地よい新開発の歪み系エフェクターで、ロックやメタル系の激しい歪みはもちろん、軽く繊細なクランチサウンドにもマッチする。また、3声のハーモニーとピッチシフトを操作できるPS-6は、-3オクターブから+4オクターブまでダイナミックなピッチ・シフトが行える「スーパー・ベンド・モード」を搭載するなど、厚みのあるギター・サウンドを簡単に作ることが可能だ。さらに、同ブランドからは、新開発のアンプモデリングやエフェクトを搭載した小型ギターアンプ「CUBE-15XL」、「CUBE-80XL」、「CUBE-40XL」、「CUBE-20XL」の4モデルが登場。コンパクトなボディながら迫力ある歪みサウンドを楽しめる「CUBEシリーズ」に今後も注目が集まりそうだ。
続いては、新ローランドブランドによるUSBオーディオインタフェース「OCTA-CAPTURE」が登場。同社V-STUDIOシリーズのフラッグシップ・モデル「V-STUDIO 700」相当という高品位・新開発の8系統マイクプリアンプや、業界最高レベルの低レイテンシーを実現する新技術「VS STREAMING」を採用する。また、同ブランドで高い人気を誇る「JUNOシリーズ」には、1,300種類以上ものライブで使える新音色を備え、本体内蔵の8トラックレコーダーでバンド仲間と手軽にレコーディングも可能なモバイル・シンセサイザー「JUNO-Gi」が登場した。そのほか、より使い勝手や機能性が強化されたコンパクトPCMレコーダーの定番機種の最新システム「R-09HR Ver.3.0」や、スーパーナチュラルピアノ音源とPHA・アイボリーフィール鍵盤を搭載した最新ステージピアノ「RD-700NX」、49鍵ショルダーシンセサイザー「AX-Synth」ブラックバージョン、さらには同社次世代シンセサイザー「GAIA」の音作りをコンピュータからフルコントロールできる専用サウンドデザインソフトウェア「GAIA SYNTHESIZER SOUND DESIGNER」など、非常に多彩な新製品が同時にラインナップされた。
なお、イベント終盤には、一青 窈のプロデュースなども知られる武部聡志氏がサプライズゲストとして出演。自らの音楽制作やライブステージなどにも欠かせない存在というRDシリーズの最新モデル「RD-700NX」を使ったライブパフォーマンスも披露された。