7日、ソニーは、ビデオプロジェクター「VPL-VW90ES」「VPL-HW20」を発表した。VPL-VW90ESは、3D映像の投影が可能なプロジェクターで、11月20日発売。VPL-HW20は2D専用モデルで、発売は10月21日。価格は、VPL-VW90ESが72万4,500円、VPL-HW20はオープンで、市場価格は30万円前後と予想される。

業界で初めて、1つの光学系での3D映像の投影を実現した「VPL-VW90ES」

「VPL-VW90ES」の光学技術の一部を踏襲する「VPL-HW20」

VPL-VW90ESは、業界で初めて、1系統の光学エンジンでのフルハイビジョン3D映像の投影に対応した製品。現在、市販されているフルハイビジョン3D映像に対応したプロジェクターは、偏光の方向が異なる右眼用と左眼用の映像を、それぞれ別の光学エンジンで投影するという仕組みを採用している。VPL-VW90ESでは、ブルーレイディスクの3Dコンテンツに採用されており、薄型テレビでも一般的なフレームシーケンシャル方式を採用することで、1系統の光学系だけで、3D映像の投影を実現している。光学系を1系統としたことで、2系統の光学系を持つ製品よりも低コストとなり、さらに、スクリーンも、通常のものが利用可能となった。

搭載されているデバイスは、240Hzで駆動する「ハイフレームレート対応フルHD SXRD」(0.61型/約1920×1080×3)。左目/右目用の映像を高速に投影することで、クロストークの発生を抑えている。これは、2.0msec以下という、SXRDの高い応答性能によるもの。また、SXRDは、反射型の液晶デバイスで、(配線の影響を受けないため)透過型の液晶デバイスに比べて、コントラスト比が高くとれるなどのメリットがある。新モデルに採用されているSXRDは、画素間ピッチを従来の0.25μmから0.2μmとすることで、さらに高コントラスト化を進めたもの。ソースに合わせて絞りを自動調整する「アドバンストアイリス3」も搭載されており、ダイナミックコントラスト比は15万:1を実現している(従来モデルでは12万:1)。

+-3ポイントで7段階の調整が可能な黒補正と白補正、11モードのガンマ補正など、マニュアルでの高度な画質補正機能を搭載するほか、フィルム映画、デジタルシネマ、モニターの3種類のシネマモードも搭載する。投射レンズは、1.6倍ズーム(VPL-VW90ESは電動、VPL-HW20は手動)の「ARC-F(オールレンジクリスプフォーカス)」レンズ。上下65%、左右25%のシフト機能も搭載する。投射サイズは40型~300型。また、動きのある映像の残像感を減らす「モーションエンハンサー」と、24pで制作された映像をなめらかな動きで表現する「フィルムプロジェクション」の、2つの機能を持つ「モーションフロー」も搭載。

HDMI入力は2系統。DeepColor、x.v.Colorに対応するほか、ブラビアリンクも利用可能だ。それ以外にコンポジット、コンポーネント、アナログRGB、D-sub15ピン入力を各1系統装備する。また、VPL-VW90ESには、アクティブシャッター方式の3Dグラス「TDG-BR100」が2個付属する。