スタンダード&プアーズ(S&P)は2日、ソニー銀行の長期カウンターパーティ格付けを「A-」から「A」に、短期カウンターパーティ格付けを「A-2」から「A-1」にそれぞれ1ノッチ(段階)ずつ引き上げた。長期カウンターパーティ格付けのアウトルックは「安定的」。
格上げは、親会社であるソニーフィナンシャルホールディングス(SFH、格付なし)傘下のグループ企業との協業の拡大、SFHの同行に対する増資の実績や見通し、などを踏まえ、「同行の格付けに織り込んでいる、SFHによる支援の可能性を考慮したスタンドアローン評価(同行単独ベースの信用力評価)からのノッチアップ幅を拡大させたことに基づく」(スタンダード&プアーズ)。
スタンダード&プアーズによると、ソニー銀行では事業規模の拡大が続いており、2010年3月期末の預かり資産金額は前の期末比15%増、貸出残高は同23%増となった。「特に中核の住宅ローン事業で、ソニー生命保険のライフプランナーによる契約が同期に新規実行額の約40%を占めるなど、グループ間の協業が拡大していることが寄与している」(S&P)。また、同行の株式の100%を所有するSFHは、同行の資産規模の拡大に伴い追加資本を投入しており、「今後も継続的な増資に応じると予想される」(同)としている。
スタンダード&プアーズでは、「同行のグループ内での収益貢献は依然限定されているが、異なる金融機能をもつ同行は、SFHにとって戦略的に重要な子会社である」とみている。