カナダに本社を置くResearch In Motionの日本法人リサーチ・イン・モーション・ジャパン(RIM)は2日、同社のスマートフォン「BlackBerry」の技術を報道関係者向けに解説する説明会を開催した。
RIMはもともとプロトコル変換器やPC用モデムカード、ページャー(ポケベル)といった通信技術から始まり、本体下部にフルキーボードを備えたスマートフォンメーカーへと進化してきた。2002年からはBlackBerryブランドでの端末をリリースし続けており、今年6月の時点で、世界で4,600万人の累計利用者がおり、端末は1億台以上を出荷しているという。すでに175カ国で550以上の携帯事業者が端末を販売しているそうだ。
海外ではiPhoneの登場以前から多く利用されてきたというBlackBerry。日本国内でもNTTドコモからBlackBerry Bold 9700が発売され、アプリ配信プラットフォームのBlackBerry App Worldでクレジットカード・円決済に対応するなど、サービスを充実させている。App WorldのUIも「近い将来に日本語化も行う」(セールス・プランニング&マーケティング部・春名孝昭部長)予定だという。
BlackBerryのネットワークは、個人向けの「BlackBerry Internet Solution」(BIS)と企業向けの「BlackBerry Enterprise Solution」(BES)の2つを展開しており、「BlackBerry Infrastructure」を仲介するネットワークが特徴だ。
通常、スマートフォンなどでのネットワークは、携帯事業者のネットワークや無線LANといった無線通信を経由してインターネットに接続し、メールやWebなどのサービスを利用する。それに対してBlackBerryでは、無線通信部分は同様だが、インターネットに接続する前にBlackBerry Infrastructureを経由してインターネットに接続してサービスを利用する形になっている。
このBlackBerry InfrastructureはProxyサーバーのような位置づけで、端末からのリクエストに応じてメールやWebの情報を取得し、それを圧縮するなどして端末側に送る仕組みを備えている。他社の製品が端末内で行うような処理を受け持ち、端末と分散することでパケット量を節約できる。これにより、端末側の処理が軽減されるため、バッテリ駆動時間が増加する、といった恩恵もあるという。