普通の高校生がエロゲ声優に挑戦するという紺野あずれ氏の話題作『こえでおしごと!』がOVAとなって、2010年11月17日にリリースされる。そこで今回は、本作のメインキャスト陣が語った作品の魅力について紹介しよう。

OVA『こえでおしごと!』take.1は2010年11月17日の発売予定

メインキャスト陣が語るOVA『こえでおしごと!』

今回の取材はOVA『こえでおしごと!』take.1のアフレコ終了後に行われたもので、主人公・青柳柑奈役のMAKO、藁園文花役の石川綾乃、能家葉月役の長妻樹里、牧野小鳥役の島形麻衣奈といった4人が、作品の魅力について語ってくれている。なお、長妻樹里と島形麻衣奈の2人は、本作がアニメ声優初挑戦となっている。


――まずはアフレコを終えての感想をお願いします

MAKO「青柳柑奈役を演じさせていただきましたMAKOと申します。こういうちょっとエッチな作品は初めてだったので、本当に出たとこ勝負という感じで(笑)、この音はどうやって出せばいいんだとか、皆さんと相談しながら演じました。すごく恥ずかしい気持ちになってしまうのかなって思っていたのですが、意外や意外、何かちょっと楽しくなってしまいました(笑)。現場にいる方々、スタッフの皆さんにすごく楽しい雰囲気を作っていただいたので、すごく楽しんで演じられました」

石川綾乃「藁園文花役の石川綾乃です。私もこういう刺激的なお仕事は初めてだったのですが、MAKOちゃんと一緒で、現場の温かい空気に恵まれまして、とても楽しく演じることができました。そんな空気がこの作品にはいっぱい詰まっていると思いますので、ぜひ多くの方に観ていただきたいと思っております」

長妻樹里「能家葉月役を演じさせていただきました長妻樹里と申します。今回生まれて初めてアニメのアフレコをしました。声優の勉強を始めて1年ちょっとぐらいで、昨日は眠れないぐらい緊張していたのですが、皆さんも仰っている通り、現場の温かい空気に助けられまして、すごく楽しんでお芝居をさせていただけました。自分の中で今回、緊張のほかにもう一つ大きな課題となっていたのが"京都弁"で、それにあたって京都弁指導の方にもついていただくということになり、かなりのプレッシャーになっていたのですが、アクセントを意識するという部分では、今後の課題としてもすごくよい機会に恵まれたと思っています。本当に出来上がりが楽しみです」

島形麻衣奈「牧野小鳥役をやらせていただきました島形麻衣奈と申します。私も長妻さんと一緒で、この作品が初めてのアニメーションなのですが、オーディションの話が来る前から原作を知っていて、この作品に絶対に出たいと思ってチャレンジした作品が一番最初のアニメーションということになり、こんな幸運はあまりないのではないかと思っております。なので、全身全霊で頑張っていきたいと思っております」

――ご自身が演じているキャラクターについて教えてください

MAKO「柑奈は、思ったことを素直に表現できる子で、恥ずかしかったら恥ずかしさがすごく前に出るし、ビックリしたら本当に飛び上がってビックリするし、赤面するときは"ぽおっ"てなるといった感じで、本当にコロコロと表情が変わります。なので、ここでこういう風に声を出したり、リアクションをしたら面白いかなっていうことを考えながら演じたのですが、エッチな場面だけではなく、日常の面でも、本当にひとつひとつのリアクションを自分なりに研究しながら演じたので、そのあたりを観ていただきたいです」

石川「藁園文花ちゃんはプロの声優さんで、エッチなゲームのお仕事を自分の仕事の原点として考え、とても大切にしている新人声優さんです。柑奈ちゃんを優しく指導するお姉さん役なのですが、第一話では戸惑っている柑奈ちゃんをお姉ちゃんのように本当に優しく指導してあげています。コミックスでは文花ちゃんもいろいろな面を見せているので、もっとはっちゃけた文花ちゃんだったり、お酒を飲むと豹変しちゃう文花ちゃんだったり、そういったいろいろな面がこれから出てくるといいなと思っております」

長妻「能家葉月ちゃんは、関西弁のおっとりとした感じの女の子で、成績もとても優秀だということだったので、もの静かな感じなのかなと思いきや、けっこう大胆なことを言っちゃうような子で、恥ずかしそうに言っているのにも関わらず、大胆な部分が垣間見える、そんな感じの女の子になっています」

島形「牧野小鳥ちゃんはあまり感情を表に出さない、アニメーションならではのキャラクターかなと思うのですが、そういった感情が出ないところに、どのようなニュアンスを含めればよいかというところがすごく難しく、そんな彼女がちょっとエッチな言葉を言うときにどういった表現をすればよいかというところを頑張って作り上げていきたいと思っております。あと、私も身長が低いのですが、小鳥ちゃんは本当に小さくて、かわいくて、ツインテールで、外見は完全にロリな女の子なので、演じながら『ああ、この子かわいい!』って思いました(笑)」

――恥ずかしいセリフのシーンを演じてみた感想や、演じる上で心がけたことは?

MAKO「とにかく気づいたことはリズム感ですね」

石川「気づかされたんだよね(笑)」

MAKO「毎回やる気満々でやればよいというわけではなく、恥じらいだったり、何かうまくいかない感じを表現するのが難しかったですね。すごく張り切ってやるのも、それはそれですごく難しいのですが、張り切らない芝居というのも難しかったです」

石川「特に柑奈ちゃんは、一番最初の作品ということもあるし、これまでそういったことにまったく興味がなかったところで才能を見せるというは難しいですよね」

MAKO「うまく編集されていることを願っています(笑)」

――演じてみて一番恥ずかしかったのはどういったところですか?

MAKO「この後、特典用のダウンロードボイスを収録するのですが、それがけっこう刺激的で(笑)。これから収録するのですが、これはかなり期待できるんじゃないかと思います」

石川「すごいセリフがあったよね(笑)」

MAKO「けっこう特典はすごいです。本編は……自分ではちょっとわからないですね」

石川「スタジオの中にすごい結束感があるんですよ。恥ずかしいというよりも何かすごい結束感があって、ここはこうしたほうがいいんじゃない? とか、みんなで話し合いながら演じていました」

MAKO「私は、Aパートの初めのところの文花のシーンがすごくいいなって思いました」

石川「文花はこういうお仕事を長くやっている声優さんなのですが、私自身は初めてなので、そこがちょっと難しかったところですね。あまり恥じらいを見せてはいけないというところで、それを意識して演じていたので、恥ずかしさよりもプレッシャーのほうが強かったですね」

――それでは作品の観どころについて教えてください

石川「それはやはり柑奈ちゃんのラストですよね」

MAKO「ラストですか……」

石川「あの衝撃的なラストは、私も見ていてドキドキしたもん(笑)」

MAKO「モノローグがすごく多い作品なのですが、柑奈の心情などにもすごくこだわったモノローグになっているので、本当に感情移入しながら観られるのではないかと思います。柑奈ちゃんは、恥ずかしくて嫌なんだけどやる、というところから始まっていて、一生懸命に頑張る、でも無理、でも頑張る、みたいな感じになっていますので、そういった姿を観ていただきたいなって思います」

石川「ブルーマーチ(作中に出てくるゲーム制作会社)の社員さんもすごく温かいので、そういうお仕事をしているというよりも、何か温かい現場というものが伝わるような作品になっていると思います」

MAKO「弥生(柑奈の姉、cv. 渡辺明乃)の厳しいセリフもいいですね。リハーサルのときも、こんな風な演技でくるなら、私ももっと『ヒーッ!』ってならなきゃって思いました(笑)。最初は『や~だぁ~』ぐらいの感じでいいのかなって思っていたのですが、『ヤーダーッ!』ぐらいの感じでやらないといけないって思ったので、そのあたりも聴き応えがあるのではないかと思います。あと、お兄ちゃんも"ぼや~ん"としていて素敵です」

島形「私たちは、観どころとなるところを実際に観ていないんですよ。なので、すごく出来上がりを楽しみにしています」

石川「想像以上だと思うよ(笑)」

――それでは最後に、作品を楽しみにしているファンの方へのメッセージをお願いします

MAKO「普段は、しっとりと喋っちゃうところがあるタイプなのですが、今回のアフレコですごく開放的な気分になり、何でも喋れるぞ! みんなと仲良くできちゃうぞ! みたいな(笑)、それぐらい自分を開放して、一生懸命に取り組んだ作品になっています。"私のすべてを受け止めろ"みたいなところもありつつ、"嫌いにならないでね、MAKOのこと"みたいなところもあり(笑)、"もっと好きになってね"って感じです。第2巻もあるそうなので、これからも応援のほうよろしくお願いします」

石川「私は原作のすごいファンなのですが、原作の世界観を壊さずに、それ以上の作品になっていると思いますので、ぜひ多くの方に観ていただきたいと思っております。よろしくお願いします」

長妻「私は今回のアニメでこの作品を知ったのですが、声優を目指していた時代をすごく思い出すような作品になっていて、そういう方にとってもバイブル的な存在になる作品だと思いますので、ぜひたくさんの方に観ていただいて、こういった世界のことをいっぱいいっぱい知ってもらえたらいいなと思います。2巻では、小鳥ちゃんと葉月ちゃんにももう少し出番があるかもしれないので、そのあたりも楽しみにしていただけたらいいなと思います。よろしくお願いします」

島形「本当にこの作品に出られたことがうれしくて、まだ新人ですし、皆さんにご迷惑をかけることも多いのですが、この作品を盛り上げていく一員となれたことをすごく幸せに感じております。ダウンロードボイスでは小鳥ちゃんのエッチなセリフも録ったので、ぜひそちらも聴いていただけるとうれしいです。今後ともよろしくお願いします」

――ありがとうございました



OVA『こえでおしごと!』take.1は、2010年11月17日の発売予定で、価格は初回生産限定特装版のBlu-rayが9,240円で、DVDが8,190円。通常版はBlu-rayが7,140円、DVDが6,090円となっている。なお、「take.2」の発売は2011年3月の予定。

■OVA『こえでおしごと!』おもなスタッフ
原作:紺野 あずれ (掲載「月刊コミックガム」ワニブックス刊)◆シリーズ構成・脚本 / 鈴木 雅詞◆キャラクターデザイン・作画監督 / 清丸 悟◆美術監督 / 松本 浩樹◆編集 / 重村 建吾◆色彩設計 / 甲斐 けいこ◆撮影監督 / 中村 昌樹◆音響監督 / 本山 哲◆音楽制作 / ポニーキャニオン◆アニメーション制作 / Studio五組
■OVA『こえでおしごと!』おもなキャスト
青柳柑奈 / MAKO◆藁園文花 / 石川綾乃◆能家葉月 / 長妻樹里◆牧野小鳥 / 島形麻衣奈◆青柳弥生 / 渡辺明乃◆日置長俊 / 千葉進歩◆横山雪平 / 水島大宙◆船木竜一 / 高橋伸也
(C)紺野あずれ・ワニブックス/PC