スタンダード&プアーズ(S&P)は2日、ソニー生命保険の保険財務力格付けと長期カウンターパーティ格付けを「A+」から「AA-」にそれぞれ1ノッチ(段階)ずつ引き上げたと発表した。両格付けのアウトルックは「ネガティブ」。

格上げは、「同社が個人保険事業において契約業績を順調に伸ばしており、国内生命保険業界での競争力を向上させていることと、強固な財務基盤を維持していることにもとづく」(S&P)。

国内生保業界全体で保有契約高が減少するなか、同社では「ライフプランナー」と呼ばれる金融知識が豊富な営業社員による対面型コンサルティング営業を軸に、個人保険の保有契約高の純増が続いている。これにより、「同社の国内生保市場における地位が高まっていると評価している」(S&P)。

収益も保有契約高の増加と安定的な利息配当金収入に支えられており、当期純利益、基礎利益ともに2009年3月期から2期連続で改善しているという。

また、ソニー生命と同じくソニーフィナンシャルホールディングス(SFH、格付けなし)の傘下にあるソニー損保(格付けなし)とソニー銀行(A/安定的/A-1)でも主要事業の業績が順調に拡大しており、収益の安定性が改善していることは、「SFHの主要中核会社であるソニー生命の信用力に間接的にプラスの影響を与えている」(S&P)としている。