米Palmは8月31日(現地時間)、モバイルOSの次期メジャーバージョン「webOS 2.0」の概要を公開するとともに、開発者向けのEarly Accessプログラムを通じて「web OS 2.0 SDK」ベータ版をリリースした。現在webOSの最新版はバージョン1.4.5だが、同社は年内にwebOS 2.0をリリースする計画だ。

WebOS 2.0では、カード・ベースのマルチタスク機能が「Stacks」で改良された。文字通りカードを積み重ね(スタック)て、関連するタスクをグループ化する。カードは自動的にスタックされ、ドラッグ&ドロップを用いたユーザーによる管理も可能。例えば電子メール内のURLリンクをクリックすると、メールのカードにブラウザを使ったリンクへのアクセスがまとめられる。これによりタスク間やアプリ間をより素早くかつ容易に移動できるようになる。

ユニバーサル検索ツールが「Quick Actions」という新機能でラウンチャーに機能の幅を広げた。Palmの説明によると「メール作成、ステータスのアップデート、お気に入りのWebサイトの検索などのためにアプリを起動する必要はない。電子メール、テキスト、検索、その他ほとんど何でも、携帯で何かをやりたい時にwebOS 2.0ではタイプするだけだ!」としている。おそらく、Mac OS X用で人気のアクションラウンチャーQuicksilverのような機能になるのではないかと考えられる。これに伴い、ユニバーサル検索の名称が「Just Type」に改められた。

「Exhibition」という新機能によって、充電ドック「Touchstone Charging Dock」にデバイスを設置するだけで自動的に写真やスケジュールなど様々なコンテンツを表示できる。ExhibitionはAPIが公開されており、サードパーティ開発者のアプリもExhibition表示を活用できる。

コンタクト/カレンダー/メッセージングの同期サービス「Synergy」がサードパーティ開発者に拡大された。現在同サービスは、Google、Facebook、LinkedInなどメジャーなオンラインサービスやソーシャルネットワークからのデータを統合しているが、新APIを通じて開発者がSynergyコネクタを手がけられる。またNode.jsランタイム環境を統合した「JavaScript Services」により、webOSアプリだけではなくサービスもJavaScriptで開発できるようになった。「JavaScript ServicesはSynergy APIの基盤であるほか、webOSのバックグラウンド・プロセッシングのサポートを強化し、ローレベルのネットワーキング、ファイルシステム・アクセス、バイナリデータ・プロセッシングのような新機能をWeb技術スタックに追加する」としている。

HTML5対応では、強化点としてCanvasサポートの向上、Web Storage、Geolocation、Application Cacheのサポートなどが挙げられている。