経済産業省は31日、7月の鉱工業指数(速報)を発表した。鉱工業生産指数(2005年=100)は前月比0.3%上昇の95.3(季節調整済み)だった(前年同月比は14.8%の上昇)。2カ月ぶりの上昇。出荷指数、在庫率指数は低下、在庫指数は上昇した。基調判断は前月と同じ「持ち直しの動きで推移しているものの、足踏みの動きもみられる」に据え置いた。
鉱工業生産指数は、景気判断で最も重要な指標のひとつで特に速報値は注目度が高い。7月の鉱工業生産指数をみると、上昇に寄与した業種は、一般機械工業、化学工業(医薬品を除く)、パルプ・紙・紙加工品工業などだった。品目別では反応用機器、フラットパネル・ディスプレイ製造装置、半導体製造装置の順に上昇に寄与している。前年同月比では14.8%の上昇となっている。
出荷指数は前月比0.1%低下の96.5(前年同月比は14.8%上昇)で2カ月ぶりの低下。低下に寄与した業種は、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、鉄鋼業などだった。
一方、生産された製品が出荷されずに生産者の段階に残っている在庫の動きを示す在庫指数は、前月比0.5%低下の96.7で4カ月ぶりの低下となった。前年同月比は1.3%の上昇。在庫の低下に寄与した業種は、電気機械工業、輸送機械工業、一般機械工業などだった。在庫とその出荷の比率をみることにより、製品の需要状況を示す在庫率は、前月比1.5%上昇の108.3(2カ月ぶりの上昇)。前年同月比は14.7%の低下となった。
同時に発表した製造工業生産予測調査では、8月は前月比1.6%の上昇、9月は0.2%の上昇を予測している。
※注 : 生産指数、出荷指数、在庫指数、在庫率ともに季節調整済みの数値