米Appleが9月1日(米国時間)に音楽・映像関連のスペシャルイベントを開催する。8月26日(同)に早くも会場となる米サンフランシスコのYerba Buena Center for the Art Theaterに巨大なギターの写真が掲げられた。例年よりも早い会場準備開始で、サウンドホールがアップルのロゴになったギターは週末を通じてサンフランシスコの話題になりそうだ。
Yerba Buena Centerで音楽・映像スペシャルイベントを開催するようになってから、Appleは大通りに面したシアターの壁全体をイラストで装飾してきた。イラストはアナリストや報道関係者に送る招待状に使われているもので、イベント前のAppleからのメッセージのような役割も兼ねていた。
2006年の招待状には、スポットライトが当たるAppleのロゴの下に「It's Showtime」と記されていた。この年はすべてのiPodを刷新したのだが、最大の発表はiTunes 7だった。iTunes Music StoreをiTunes Storeに改め、映画やiPod用ゲームのダウンロード販売を開始。また開発中のApple TV(当時のコードネームは"iTV") を"スニークピーク"として披露した。
2007年 (会場はMoscone West)の招待状は、アルバムカバーが左右に広がるイラストに「The beat goes on」が組み合わせられていた。カバーフローである。初代iPhoneが米国で発売された直後で、音楽イベントでは太めの第3世代iPod nanoとともに第1世代のiPod touchが登場した。この時の"One more thing"はiTunes Wi-Fi Music Storeだった。
06年は"It's Showtime"イベント |
07年、カバーフローでiPhone OSベースのiPodの登場を示唆 |
2008年はiPod nanoのインターフェイスと思われるイラストに「Let's Rock」の2語。iTunesがGenius機能を備えるバージョン8になり、また第2世代のiPod touchが発表されたが、この日の主役はユーザーインターフェイスを刷新した第3世代のiPod nanoだった。
2009年のイラストには「It's only rock and roll, but we like it」と書かれていた。ビートルズのカタログのiTunes Store登場が噂されたが、重要だったのはイラストの女性が持っているiPodがiPod touchだったことで、音楽プレイヤーを土台とするiPodからiPhone OSベースのiPod touchへのシフトを明確に示したイベントになった。Appleは第3世代のiPod touchを、ゲームやエンターテインメント・タイトルを快適に遊べるポケットコンピュータとアピール。iTunes 9へのバージョンアップでは、音楽、ビデオ、そしてアプリなど様々な種類のコンテンツの管理と同期の強化がポイントになった。
08年の主役はiPod nano |
09年、iPhone OSデバイスであるiPod touchへのシフトが鮮明に |
このようにAppleの音楽・映像イベントの招待状にはイベントで発表する製品やサービスのヒントが記されてきた。ところが今年はキャッチコピーがなく、ギターの写真だけというシンプルな招待状だ。サウンドホールのAppleのロゴが目立つばかりで、イベントで何が起こるのかさっぱり想像できない。深読みすれば、招待状にiPodが登場しないのは2006年の"It's Showtime"イベント以来で、iPodの新モデル以上の主役が用意されているとも考えられる。しかしギターである……「もしかしてiLife新版の登場もあり?」、「それとも写真であるのがポイント?」というように想像をたくましくさせる招待状だ。
今年の招待状の写真。みなさんはどのように分析するだろうか? |