"妻"に焦点を当てて、その姿を公表されているデータから読み解く「妻の正体~データ編」。今回のテーマは既婚女性が働く理由。日本ではまだ育児と仕事を両立する支援が十分でないといわれている。専業主婦という選択肢があるにもかかわらず、多くの女性があえて"いばらの道"を選ぶ本当の理由とは?

今回取り上げるのは「gooリサーチ」が7月に発表した「育児と仕事に関する調査」。「gooリサーチ」の登録モニターの中から、ワーキングマザー(6歳以下の子供を持つ既婚就業女性)を対象に実施。1,000人から有効回答が得られた。

「働く目的」について該当する項目を選んでもらったところ、「食費、生活費など家計を支えるため」としたワーキングマザーは81.0%にも上り、2007年に行った前回調査の79.2%も上回った。次に多かったのは「自分が自由に使える収入を得るため」の42.1%。以下「(育児から離れ)自分に戻るため」(33.4%)、「キャリアアップ、仕事のやりがい」(33.3%)、「人間関係や視野を広げるため」(29.8%)の順となった。自分のためではなく、家族のために働き続けなければならない―。それが現実のようだ。

この働く理由、世帯年収によっても傾向が違う。「食費、生活費など家計を支えるため」は世帯年収「400万円未満」では93.8%と9割を超えた。また、年収が高い人ほど"家計の支え"以外の目的を持つ傾向があり、世帯年収「800万円以上」では「キャリアアップ、仕事のやりがい」や「自分が自由に使える収入を得るため」がいずれも半数を超えている。 同調査では、今後欲しい会社の育児サポート制度についても聞いている。もっとも多かったのは「育児サービス利用料の補助」で39.0%、次が「事務所内保育所」の37.8%。子どもの預け先やその費用は、働くママにとってはかなりの負担となっているようだ。ちなみに子どもの預け先にかかる費用でもっとも多かったのは「3万円~5万円未満」。世帯年収が低いほど、その費用は低くなり、世帯年収「400万円未満」では3万円未満の割合が約8割となっている。