ダイソンが提携する慈善団体・ジェームズ ダイソン財団はこのほど、財団が主催する国際デザインアワード「第5回James Dyson Award (ジェームズ ダイソン アワード)」において、各国内最優秀賞、ならびに第一次(国内)審査通過作品10作品を決定した。
ジェームズダイソンアワードは、次世代のデザインエンジニアの支援・育成を目的に、毎年開催されている国際デザインアワード。「第5回ジェームズダイソンアワード」では、「日常の問題を解決する様々なアイデア」をテーマに、アメリカ、イギリス、日本など世界18カ国の大学において工業デザイン、プロダクトデザイン、エンジニアリングを選考する学生ならびに卒業後4年以内の卒業生を対象に、2010年2月2日~7月8日にわたって作品募集を行った。
日本最優秀賞に、千葉大学工学研究科の学生らによる「風車」を選出
日本の第一次(国内)審査では、千葉大学工学研究科の岩原一平さん、加藤直樹さん、福永圭祐さん、卒業生の松田慧さん(現 NTT東日本)による作品「風車」を日本最優秀賞に選出。また同作品を含む一次審査通過作品10点も選定されている。審査は、慶応義塾大学大学院 政策・メディア研究科教授の坂井直樹氏、およびデザイン専門誌『AXIS』編集長の石橋勝利氏が担当した。
日本最優秀賞作品「風車」。 |
「風車」は、地域ごとの自然エネルギーの特性を生かすことをテーマに、一定の方向から吹き続ける海風の力を利用したモビリティ。制作においては、「現在の電力生成方法では、電気自動車は本当の意味でのクリーンエネルギーとは言えないのではないか? という疑問からスタートしました」と岩原さん。今回の作品は「地域ごとに異なる気候を利用するなど、地域特性に応じて利用できる自然エネルギーがあるのではないか? 」という着想から得たものだという。
2位作品「結核検査のためのデザインシステム」。 |
3位作品「Magono Jet」。 |
日本最優秀賞を受賞した岩原さんらには、マレーシアのダイソン研究施設への研修旅行が贈られる。なお、第5回James Dyson Awardの最優秀賞受賞者は10月5日に発表される予定で、ジェームズ ダイソン アワード・トロフィー、賞金約150万円(受賞時の為替相場に準じて変動)が贈られるほか、受賞者が在籍または卒業の教育機関に寄付金約150万円(同)、英国またはマレーシアのダイソン研究施設への訪問も寄贈される。