ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン(GfK Japan)は12日、2010年上半期の家電およびIT市場の販売動向を発表した。それによると、個人消費の回復に伴い、上半期の家電・IT市場は全体的に堅調な推移をみせたという。
家電販売全体の約7割を占める家電量販店チャネルにおいて、第1四半期の金額前年比は18%増、第2四半期も3%増を記録。その理由として、4月のエコポイント改正前の駆け込み需要により、薄型TVの販売が急増したことが挙げられている。また、エコポイント制度により来店客数が増加したことで、薄型TV以外の家電製品も総じて堅調に推移し、携帯電話を除き数量前年比でプラス成長を達成している。
製品ごとに見てみると、TV市場は、2009年5月に施行されたエコポイント制度が薄型TV市場の拡大に引き続き貢献し、数量前年比69%増の947万台を記録。特に3月商戦において、各家電量販店でエコポイント制度改正に伴う販促活動を展開した結果、3月22日週では同263%増と著しい伸張がみられた。
DVD / ブルーレイ市場は、ブルーレイ(以下、BD)レコーダーが市場を牽引し、数量前年比は14%増の401万台と二桁成長を達成。レコーダー全体におけるBDレコーダーの数量構成比は72%に上り、大幅な成長をみせている。
デジタルカメラ市場の販売数量は、前年比9.7%増の524万台で2年ぶりのプラス成長となった。注目のミラーレス一眼は、レンズ交換式カメラにおいて数量構成比18.4%を占めた。中でもソニーがミラーレス一眼モデルを発売した6月は、同商品の構成比が約30%に到達。ミラーレス一眼の好調に加え、一眼レフのエントリークラス(10万円未満)も前年を上回る推移となるなど、レンズ交換式カメラ市場全体が活気づいている。
冷蔵庫市場も、エコポイント効果により数量前年比は4%増の233万台に到達した。しかし、同制度の恩恵を受けた高価格帯の購買が一段落した4月以降は、平均価格が前年を割り込んだため、金額前年比は2%増にとどまる結果となった。
2010年上半期の家電およびIT市場は、ミラーレス一眼やスマートフォンが急成長したほか、3DテレビやiPadなどのスレート端末が発売された。同社は、「様々なカテゴリーにおいて、更なる成長が見込まれる製品が登場しており、下半期も堅調に推移する見通し」だと分析している。