日本銀行は10日、政策委員会・金融政策決定会合において、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針について、「無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0.1%前後で推移するよう促す」ことを全員一致で決定した。

景気については、「海外経済の改善を起点として、緩やかに回復しつつある」との判断を示した。その理由として、「新興国経済の高成長」や「世界的な情報関連財需要の拡大」などによりに、輸出や生産が増加を続けていることを挙げた。

また、設備投資については、「持ち直しに転じつつある」と判断。雇用・所得環境については、「引き続き厳しい状況にあるものの、その程度は幾分和らいでいる」とした。個人消費に関しては、「持ち直し基調を続けている」との判断を示した。

金融環境は、「緩和方向の動きが続いている」、物価面では、「消費者物価(除く生鮮食 品)の前年比は、経済全体の需給が緩和状態にあるもとで下落しているが、基調的にみると下落幅は縮小を続けている」とした。

先行きの中心的な見通しとしては、「回復復傾向をたどるとみられる」、物価面では、中長期的な予想物価上昇率が安定的に推移するとの想定のもと、マクロ的な需給バランスが徐々に改善することなどから、「消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、下落幅が縮小していくと考えられる」との判断を示した。

リスク要因に関しては、景気について、新興国・資源国の経済の更なる強まりなど上振れ要因がある一方、「国際金融面での動きなど下振れリスクもある」と指摘し、「一部欧州諸国における財政・金融状況を巡る動きなどが、国際金融資本市場の動きを通じて、内外の経済に与える影響に注意する必要がある」と注意を促している。