FOMCを控えて模様眺めの中、アジア市場の展開を受けて、株式市場は軟調に推移。ただ、為替市場ではロンドンFIXにおけるドル買いが出たことで、ドル円は86円台に回復し、ユーロは短期ロングの解消売り(主に米系や中銀系の売り観測)も入ったことで、1.31台前半に下落。
FOMCに関しては、MBSの再投資の可能性が最も意見が多いものの、量的緩和、何もしないという意見もあり三者三様の待ち構えの状態の中、労働生産性の低下を受けて株式市場はさらに下値模索となった。
そして、発表されたFOMCは
金利を長期間、異例の低水準に維持することを再確認
景気回復は短期的に、予測よりもより緩やかなものに
米経済の回復ペース、ここ数カ月で減速
個人消費は拡大しているが、高水準の失業・住宅・信用ひっ迫が圧迫
機関債・MBSからの償還金を期間長めの財務省証券に再投資する事で証券保有を現在の水準で維持へ
償還迎える財務省証券のロールオーバーを継続へ
インフレは当面、抑制された状況が続く公算
今日この後、オペに関する技術的な説明を行なう
今回の決定は9対1で決定、ホーニグ・カンザスシティ連銀総裁が反対
FRBは見通しを注視し、景気回復促進のために必要な政策手段を実施していく
などと発表。
追加緩和策+米経済自身の警戒感台頭で、ドル売りの展開となるが、株式市場は逆の緩和政策の維持ということで、安値水準から反発。ただ、リスク回避的な動きから上値が重たい展開となり、CRB指数の低下に伴って資源関連も軟調に推移した。
・08:50 (日)6月機械受注
・08:50 (日)7月企業物価指数
・14:00 (日)8月日銀金融経済月報
・11:00 (中)7月中国PPI、CPI、小売売上高、鉱工業生産、固定資産投資
・15:45 (ユーロ圏)6月仏経常収支
・17:30 (英)6月失業率
・18:30 (英)BOEインフレ報告
・20:00 (米)MBA住宅ローン・借換え申請指数
・21:00 (欧州)ノルウェー中銀金利発表
・21:30 (米)6月貿易収支
・21:45 (欧州)ノルウェー中銀記者会見
・02:00 (米)財務省10年債入札
・03:00 (米)7月財政収支
主な海外企業決算発表予定
Cisco Systems、ING GROEP NV、INTERIM NESTLE S.A.
昨日のFOMCを受けて、米経済に対する懸念に対してFRBはある程度期待されていた行動を起こしたものの、雇用情勢・消費など経済活動を活性化させるベースは、企業側のマインドが国内にしっかりと振り向けられるかどうか次第。欧米企業決算において見られるように、新興国など海外での収益偏重という状態が継続されるのであれば、相当期間FRBだけではなくECB、BOEでさえも現状の緩和政策を維持していく可能性が高くなる。その意味では、リスク思考の改善という話題が出たとしても、今後は消費・労働市場改善につながらないのであれば、一時的な動きになるのであろうか。
こういった中、その新興国の中で注目される中国の経済指標が発表される。中国当局の指導のもと、過渡の不動産取引抑制の他、過剰設備の統廃合などいくつかの点で修正される項目が出てきている。昨日の貿易収支の輸入の減少も影響していると思われる。 先進国において需要がかなり減少している中、新興国の一角である中国においても需要減という連想がさらに高まれば、株式市場だけではなく、中国向け輸出に依存している国・企業への影響は出てくると思われる。
昨日の欧米株式市場の軟調地合いがあるがゆえに、ネガティブな内容となれば、さらにリスク回避の動きが強くなる可能性があり、円高傾向ということも考えると、日本の市場にとってはかなりの重しとなりそうだ。
ドル円で見れば、先週金曜日の85.02、そして一番の注目である84.82がサポートできるのかどうか。リスク回避志向が強まってクロス円の解消売りが加速するとかなりの重圧になるが、日本当局はどのような行動を起こすのかが注目される。(政府筋からは牽制球は出てくると思わるが)