本稿では、前後編に分けてシンガポールで購入したプリペイドSIMカードの活用法を紹介している。前編では、プリペイドSIMカードの種類や価格、購入方法について解説した。後編では、購入したプリペイドSIMカードを、日本から持ち込んだSIMロックフリーのWi-Fiルータ「b-mobile WiFi」で活用する方法を紹介する。

購入したプリペイドSIMカードをb-mobile WiFiにセット

アクセスポイントを設定後、利用可能

b-mobile WiFiに購入したプリペイドSIMカードを装着し、電源を入れても、すぐには利用できない。これはSingtelのSIMカードを使うための「アクセスポイント」の設定が必要だからである。データ通信モデムやWi-Fiルータは一般的に入れたSIMカードのアクセスポイントの設定を行う必要がある。

設定方法はネットブックやスマートフォンとb-mobile WiFiを無線LANで接続し、ブラウザを開いてアドレスに「192.168.0.1」を入力。するとb-mobile WiFiの設定画面が表示される。そこに指定されたユーザーIDとパスワードを入力すれば、設定画面が表示される。アクセスポイントの設定は、以下のように行う。

「アドバンスド設定」→「画面左の『3G設定』」→「画面右下の『追加』」→「プロファイル名を任意(例:Singtel)、APNにhi-internet、ダイヤル番号に*99#」→「デフォルトに設定」
「画面左の『3G接続』」→「自動接続または手動接続」

アクセスポイントの設定が完了すれば、すくにデータ通信を開始できる。今回購入したSingtelのプリペイドSIMカードは3日間の定額利用可能。利用制限も無いのでUstreamやYouTubeなどの動画サービスの利用も可能だ。

なお3日以上使う場合は残高を追加(Top-Up)すれば、10シンガポールドルで2日間、20シンガポールドルで4日間延長できる。延長はSingtelのWEBサイトからクレジットカードで行えるため簡単だ。URLは「https://inno.ideas.singtel.com/PrepaidBoM/topup/」だ。ただし、海外発行のクレジットカードは利用できないものもあるようだ。日本のカードが利用できない場合はSingtelの店舗で直接入金処理をする必要がある。

b-mobile WiFiでAPNを設定する

SingtelのWebサイトで残高追加もできる

ちなみにイーモバイルのPocket Wi-Fi「D25HW」も非公式ながらSIMロックがかかっておらず、b-mobile WiFi同様に海外のSIMカードを利用できる。設定方法の例は台湾での利用記事を参照していただきたい。設定画面ではAPNをhi-internetとすればよい。

D25HWを海外の現地SIMカードで使ってみよう

前編:台湾のプリペイドSIMカードを購入する
後編:端末とネットワークへの接続方法

HSDPAモデムとのセットも

b-mobile WiFiなどのルータを持っていない(持ってきていない)が、シンガポールでネットブックやノートPCでデータ通信を利用したい――。そういう場合は、プリペイドSIMカードとHSDPAモデムのセットを購入すればよい。

モデムのセットは、価格は各社60~100シンガポールドル程度。各通信事業者の店舗だけではなく、コンビニエンスストアでも販売されており、夜中でも購入することができる。

モデムのセットには、詳細な説明書は付属しないが、同梱されているSIMカードをモデムにセットし、あとはモデムをネットブックのUSBポートに装着すれば自動的にドライバがインストールされる。イーモバイルやb-mobileのHSDPAモデムの仕様とほぼ同じだ。

なお、これらの店舗で購入したモデムにはSIMロックがかかっていないので、他の国へ行った際に現地でプリペイドSIMカードを装着して利用することができる。

Singtelのモデムセット販売案内

コンビニ店頭でもモデムセットが販売されている

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この夏よりソフトバンクが「海外パケットし放題」サービスを提供するなど、海外でも日本のスマートフォンをリーズナブルに利用できる環境が整ってきた。

だが滞在期間が長い場合や、b-mobile WiFiを持っている場合などは、本稿で紹介したように現地のプリペイドSIMカードを利用すればさらに通信費を安くすることができる。この夏、海外旅行に出かける人は現地のプリペイドSIMカードを活用してみてはいかがだろうか。