ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン(GfK Japan)は3日、冷蔵庫やエアコンなど夏季に販売ピークを迎える製品の家電量販店における販売動向を発表した。それによると、低気温と降雨に見舞われた春先から一転、猛暑となった今夏は、エアコンをはじめとする「夏物」関連家電の販売が好調に推移しているという。
冷蔵庫、エアコン、扇風機の3品目の販売数量をみると、6月第1週は2009年並みのスタートだったが、気温が上がるにつれて前年を大きく上回る週が続き、7月第5週までの累計前年比は、冷蔵庫10%増、エアコン36%増、扇風機35%増といずれも好調を記録。中でも祝日「海の日」を含む7月第4週は、冷夏だった前年との気温差から、エアコンと扇風機の販売が倍増(エアコン149%増、扇風機108%増)した。
製品別に見た場合、冷蔵庫は、猛暑のタイミングと夏ボーナスの支給額回復やエコポイントが重なったことから、大容量クラスに買い換えるケースが相次ぎ、7月第4週には501L以上の大容量クラスが前週比2%増の21%と一時的に増加した。
エアコンは、猛暑特需により7月第4週の販売は1週間あたりの販売として記録的な台数(前年比149%増)となった。一方、エアコン販売好調の影響で、一部製品の品薄や販売時期の集中による取り付け工事の遅延も発生。取り付け工事まで1~2週間待ちといったケースも起きている。
今年のエアコン需要の背景には、天候以外にも2001年4月家電リサイクル法施行前に購入した消費者が買い替えサイクルに入っていること、省エネおよび他技術の進展による買い替え・買い増し需要の喚起、さらにエコポイント制度の恩恵やエコポイント対象製品の増加などの好材料が挙げられる。2010年はこのまま高成長が持続されるとなった場合、必然的に2011年からの反動減が警戒される。同社は、今後はメーカー側が高機能・高価格帯モデルの販売をどの程度後押しできるのかが重要となると推測している。