2日、東京国際空港(羽田)の新国際線旅客ターミナルビルが、報道陣に公開された。今年10月末の羽田空港の本格国際化に合わせて建設が進められているこの新ターミナルは、同月21日に供用が開始される予定だ。
驚くのは、その大きさ。地上5階建て、延床面積約15万9000平米は、同じ羽田の2ビルに匹敵する規模。約2300台収容の6層7階建ての駐車場も隣接される。
ターミナルビルの建築的特徴である、「すじ雲」の浮かぶ空へ舞い上がるような「ルーフ(大屋根)」のイメージをベースとしたというロゴマーク |
コインPC/PCデスクは13箇所に32席(19席/13席)を設置。コインPCでは、お金を投入せずに一定時間、同ターミナルビルのWebサイトが閲覧できる |
「空への旅立ちの期待感を湧きおこさせる」がコンセプトの3階出発ロビーは、そのターミナルの規模を実感できる大空間。自然光が差し込む設計は、省エネであり、そして心地いい。航空会社のカウンターの間隔も、余裕があるとされてきた関西空港を上回る。
プラネタリウムや江戸の町並みも
大規模な国際空港ながら、旅客の動線を分かりやすくしているのも特徴だ。
たとえばモノレール駅、アクセスホール、出国審査場、ゲートラウンジはすべて同じ3階にある。フラットな動線で視認性の高いシンプルな設計だ。
さらに、世界で初めてとなるステップ(継ぎ目)のないボーディングブリッジ、日本の国際空港では初の旅客通過確認システム、補助犬(盲導犬・介助犬・聴導犬)専用トイレの完備など、いわゆるユニバーサルデザインを採用した人に優しい施設・設備が多数ある空港でもある。
また、電力使用量が少ない夜間の割安な電気を蓄え、昼間の電力負荷に応じて放電することのできるNAS電池(大容量蓄電池)を採用し、地中熱を冷暖房に利用するなど「地球への優しさ」も兼ね備える。
商業施設の目玉は、4・5階(出国前)にある「E・DO MARKET PLACE」。その名の通り、江戸時代の町並みを再現した空間で、4階の「江戸小路」には有名なうどん店「つるとんたん」などグルメ店やショップが軒を連ねる。
また5階は「TOKYO POP TOWN」と名付けられたエンターテインメントゾーン。今や日本を代表するカルチャーとなったアニメやキャラクターのショップ、なつかしのスロットカーレーシングコース、さらに空港では初となるプラネタリウムを設置したカフェもお目見え。視界270度の展望デッキは、迫力満点だ。
出国後には日本の空港初出店の『ロレックス』などの有名ブランド、ファッションブティック、免税品店『DUTY FREE SHOP』、バー、ダイニングなど31の店舗が入る。
そして、もうひとつ、都心から約15分という近さも大きな魅力。東京モノレールの「羽田空港国際線ビル駅」と京急電鉄の「羽田空港国際線ターミナル駅」の両新駅は空港ビル直結。この近さゆえに新国際線旅客ターミナルビルがより魅力を増して見えるのは間違いないようだ。