経済産業省は30日、6月の鉱工業指数(速報)を発表した。鉱工業生産指数(2005年=100)は前月比1.5%低下の94.7(季節調整済み)だった。低下は4カ月ぶり。出荷指数、在庫率指数も低下。在庫指数は上昇した。基調判断は「持ち直しの動きで推移しているものの、足踏みの動きもみられる」とし、前月までなかった「足踏みの動き」を加え、下方修正した。

鉱工業生産指数は、景気判断で最も重要な指標のひとつで特に速報値は注目度が高い。6月の鉱工業生産指数をみると、低下に寄与した業種は、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、化学工業(医薬品を除く)など。品目別では普通乗用車、携帯電話、太陽電池モジュールの順に低下に寄与している。前年同月比では17.0%の上昇となっている。

出荷指数は前月比0.2%低下の96.2(前年同月比は17.6%上昇)で2カ月連続の低下。低下に寄与した業種は、鉄鋼業、電子部品・デバイス工業、化学工業(医薬品を除く)などだった。

一方、生産された製品が出荷されずに生産者の段階に残っている在庫の動きを示す在庫指数は、前月比0.7%上昇の97.2で3カ月連続の上昇となった。前年同月比は1.2%の上昇。在庫の上昇に寄与した業種は情報通信機械工業、化学工業、電気機械工業などだった。在庫とその出荷の比率をみることにより、製品の需要状況を示す在庫率は、前月比1.4%低下の107.0(3カ月ぶりの低下)。前年同月比は16.7%の低下となった。

同時に発表した製造工業生産予測調査では、7月は前月比0.2%の低下、8月は同2.0%の上昇を予測している。

※注 : 生産指数、出荷指数、在庫指数、在庫率ともに季節調整済みの数値