富士通は27日、シニア世代をターゲットとした「らくらくパソコン」シリーズ3世代目となる「FMVらくらくパソコン3」(以下、らくらくパソコン3)を発表した。らくらくパソコン3では、タッチパネル式20型ワイド液晶のデスクトップPCと、同じくタッチパネル式の15.6型液晶のノートPC計2機種がラインナップされた。新製品では、「らくらくホン7」との連携機能が追加されている。

「FMVらくらくパソコン3」

らくらくシリーズには、先行する「らくらくホン」があり、らくらくホンでは、「見やすさ」、「しんせつ・かんたんさ」を追求し、ユーザーが抱える課題解決をテーマに開発に取り組んでいる。そして、らくらくパソコンは、これら、らくらくホンの技術を応用し商品開発を行っているという。

「かんたんさ」の追求では、メニューをタッチすることで、簡単にアプリケーションを起動できる「らくらくメニュー」を採用し、50音順かな配列のソフトキーボードからタッチ操作で文字が入力できる。また、初心者にはわかりづらい「かな漢字入力」と「英字入力」の切り替えも、キーボード上部のボタンで行え、「音量調整ボタン」やいつでもワンタッチでトップメニューに戻れる「メニューボタン」も設けられている。

らくらくメニュー

ノートPCのキーボードと上部のワンタッチボタン

「見やすさ・しんせつさ」の追求では、キーボードのアルファベット26文字・母音を色分けしているほか、BackSpaceを「後退」、Enterを「確定・改行」にするなど、キー表示を日本語で行っている。また、キーボードに印字された文字サイズは通常の1.5倍の大きさがあり、明度差も1.6倍で視認性を高めている。そのほか、専用のマニュアルも添付されるほか、専用の電話相談窓口を設けるなど、サポートも充実させている。

しかし、らくらくホンがすでに累計で1,800万台以上を出荷し、60歳以上の携帯所有人口1,850万人のうち、900万人が利用しているなど、大きな実績を残しているのに対し、らくらくパソコンのユーサーへの浸透はいまひとつのようだ。そこで、今回のらくらくパソコン3では、らくらくホン7との連携機能を追加し、らくらくホンユーザーへのらくらくパソコンの訴求を図っている。

新製品には、らくらくホン用のクレードルである「らくらくホン専用スタンド」が標準で付属し、らくらくホン7で撮影した写真を簡単に取り込めるようになっている。らくらくホン7をスタンドに載せると専用のアプリが自動で立ちあがり、写真の取り込み、印刷、スライドショーの実行、はがきの作成などが簡単に行えるようになっているのだ。

らくらくホン専用スタンド

らくらくホン7をスタンドに載せると、写真取り込み用のアプリが自動起動

富士通 執行役員副社長 佐相秀幸氏は、「総務省の調査によれば、60歳から64歳の携帯電話の利用率が75%程度あるのに、パソコンの利用率は50%程度だ。そこで、(すでに出荷済みの)らくらくホン1,800万台と連携すれば、パソコンの利用が深まるのではないかと考えた」と語ったほか、富士通 執行役員常務 大谷信雄氏は、「成功したらくらくホンのビジネスを横展開して、ビジネスを広げていきたい」と述べた。

富士通 執行役員副社長 佐相秀幸氏

富士通 執行役員常務 大谷信雄氏

らくらくホンユーザー900万人が新たなターゲット

パソコンと携帯電話連携によるシナジー効果の追求

そのほか、今回のらくらくパソコン3では、検索機能も強化され、メニューの中に「かんたん検索」が追加された。かんたん検索を利用すれば、階層メニューーをたどることにより、検索するカテゴリを選択できるほか、キーワードの先頭部分の文字を入力を入力すると、キーワードの候補が表示され、それらを選択することにより文字入力ができるようになっている。

検索はカテゴリを選択しながら、ウィザード形式でキーワードを指定

CMキャラクターに大竹しのぶさんを起用

また、らくらくホンとのシナジー効果を発揮させるため、らくらくパソコンの新CMキャラクターには、らくらくホン同様、女優の大竹しのぶさんを起用し、携帯電話とパソコンが一体となったブランドメッセージを展開する。発表会に登場した大竹しのぶさんは、普段からパソコンを利用しているそうだが、これからは映画のチケット予約やレストランの検索、ハガキの作成にパソコンを活用していきたいと語った。

らくらくパソコンCMキャラクター、大竹しのぶさん