日本HPは、インターネットへの接続機能である「HP ePrint」プラットフォームを備えた個人向け複合機「HP Photosmart Wireless B110a(以下B110a)」を発表し、プレス向けに「個人向け次世代インクジェットプリンター戦略ならびに新製品発表会」を開催した。8月5日より販売を開始し、同社の直販サイト「HP Directplus」の販売価格は12,810円。
「HP ePrint」には、大きく「メールdeプリント」と「アプリdeプリント」の機能がある。なお、「HP ePrint」を搭載にしているプリンタはすでに米国で発表されているほか、アジア・太平洋地域向けには、6月に香港で発表されている。28日の発表はB110aの1機種のみだったが、今秋には、「HP ePrint」搭載の複合機が追加発表される予定のほか、今後発売されるHPのプリンタには、ずべて「HP ePrint」が搭載されるという。
「メールdeプリント」は、プリンタ自身がEメールアドレスを持ち、PCやスマートフォンからそのアドレスにメールを送信すると、その内容をPCを介さずに印刷できる機能。ユーザーは通常のメールと同じように、添付ファイルとして印刷したいドキュメントをプリンタのメールアドレスに送信することで、HPのクラウド上のオンラインハブである「HP ePrintCenter」を経由して、世界中の任意のプリンタから出力することができる。メールの送信元端末にはプリンタドライバは必要なく、メールが送信可能であればよい。これにより、iPhone、iPad、BlackBerryなどのスマートフォンからプリンタに出力できる。対応するドキュメントは、PDF、Word、Excel、PowerPoint、テキストファイル、メール本文(テキスト、HTML、リッチテキスト)で、今秋にはJPEGへの対応を予定している。
「アプリdeプリント」は、登録されたアプリケーションをプリンタのパネルで操作し、プリンタが直接インターネットからデータをダウンロードして印刷する機能。ワールドワイド共通のアプリケーションとしては、クイズを楽しめる「数独」、キャラクターのぬり絵がプリントできる「ディズニー」、ペーパークラフトが楽しめる「ドリームワークス」、登録した地点のピンポイントの天気予報がプリントできる「Weathernews」などがある。アプリケーションは現在、ワールドワイド全体で32種類ほどあり、今後随時追加されていく予定で、100以上を目標にしているという。追加されたアプリケーションは、ダウンロードして登録することが可能だ。
日本向けとしては、ぐるなびが提供するレストランを検索して割引クーポンやお店の地図のプリントができるアプリケーションや、クレオが提供する、年賀状や季節の挨拶状など、豊富な絵柄からお気に入りのデザインを選んで印刷が可能なはがき印刷アプリケーションの提供が予定されている。
発表会では、日本HP 代表取締役 社長執行役員 小出伸一氏が、「従来のプリンタはPCの周辺機器であったが、本日発表するプリンタは、クライド時代の新しい世代の、新しい時代の、新しい世界の進化したプリンタだ」と述べたほか、日本HP 執行役員 イメージング・プリンティング事業統括 挽野元氏は、「今日発表するプリンタは、10年に一度の革新的な技術を搭載している。ネットにつながるプリンタは、もはや周辺機器ではない。これからは、プリンタそのものが情報デバイスになる」と語った。
B110aの主なスペックは、印刷スピードがモノクロ最速32枚/分、カラー最速30枚/分、インクは4色独立インクシステム、解像度は最高4,800dpi。光学解像度1,200×2,400dpiの48bitカラーCISスキャナを搭載し、コピー機能も備える。インタフェースは、IEEE802.11b/g/n対応の無線LANとUSB 2.0。対応用紙サイズは、A4、A5、A6、B5、封筒、ハガキ、往復ハガキ、L判、2L判、カスタム用紙。外形寸法/重量は、W452×D299×H200mm/6.02kg。対応OSは、Windows XP/Vista/7およびMac OS X v10.4.4以降。