KDDIは2011年3月期第1四半期(2010年4-6月)の連結決算を発表した。売上高は対前年同期比1.4%増の8,660億1,900万円、営業利益は同8.8%減の1,292億9,700万円、経常利益は同11.5%減の1,225億8,000万円、当期純利益は同16.8%減の719億2,100万円で、売上高は微増だったものの減益となった。端末販売原価や周波数再編に伴う営業費用などの増加が響いた。
主力の移動通信事業は、売上高が対前年同期比0.1%増の6,637億1,100万円、営業利益は同12.6%減の1,333億2,300万円、経常利益は同15%減の1,316億2,800万円、当期純利益は同21.7%減の750億5,800万円だった。端末代は高くなるが月々の通信料金が安いシンプルコースの浸透が進み、ARPU(1契約当たりの月間平均収入)は同440円減の5,160円となった。データARPUは同50円増だったものの、音声ARPUは同490円減った。一方、端末販売収入は増加したことなどから、売上高は、わずかながら上昇した。シンプルコースの契約率は6月末で49%となっており、今年度末(2011年3月)で、68%に達すると同社ではみている。
また、2012年7月の800MHz帯周波数再編により、一部周波数帯が利用できなくなるため、同社は、ユーザーを新たな周波数に対応する新型端末に移行させなければならない。この費用負担が減益の主な理由のひとつだ。6月末時点での携帯電話の契約数は3,209万件で、累計シェアは28.2%だ。
固定通信事業では、売上高は対前年同期比3.3%増の2,141億800万円、営業損益は53億7,600円の損失だが、前年比で53億4,100万円改善、赤字幅は半分近く減った。音声系収入は減少したが、中部テレコミュニケーションやジャパンケーブルネットグループの増収などが貢献し増収となった。「auひかり」と中部テレコミュニケーションが提供する「コミュファ光」、沖縄セルラー電話が提供する「auひかり ちゅら」、沖縄通信ネットワークが提供する「ひかりふる」を合わせたFTTHサービスの契約数が、2010年6月末時点で163万7,000となった。また、固定電話「メタルプラス」の契約数は277万5,000だったほか、ケーブルテレビ局のネットワークを利用する「ケーブルプラス電話」の契約数は、5月12日に100万回線に達した。
営業利益の、通期見通しに対する進捗率は29.1%で、同社では順調な推移とみており、通期の連結業績予想は、前年度の連結決算発表時に示した数値を変えておらず、売上高は同0.1%減の3兆4,400億円、営業利益は同0.3%増の4,450億円、経常利益は同0.7%減の4,200億円、当期純利益は同12.8%増の2,400億円としている。