片方だけのピアスや切れたネックレス、使わなくなった金歯……。「金といってもこんな"ガラクタ"じゃ……」と侮ってはならない。10年前の3倍に跳ね上がっているという金価格に目をつけた主婦たちは、家のなかの"埋蔵金"を専門店で現金買い取りしてもらい、ちゃっかりヘソクリを作っているようだ。クレインが運営するジュエリー買取専門店「ジュエルカフェトレッサ横浜店」を訪ね、話を聞いた。
ピアス片方200円、金歯2~3本で3,000円
金製品の買い取りといっても構える必要はない。金ならばそれがジュエリーとして"完全"である必要はなく、片方だけのピアスや切れたネックレスのチェーンもOKだ。ピアス片方(18金)の買取価格は200円前後、ネックレスのチェーン(18金)は5,000円前後での買い取りになるとのこと。こうした"ガラクタ"をため込んでいる女性は多いはず。集めると結構な"へそくり"になりそうだ。
ほかにも家に眠っていそうな"埋蔵金"はある。たとえばカフス、ネクタイピン、退職記念などにもらう社員章、万年筆のペン先など……。ちょっと高価なメガネのフレームにも金が使われていることが多い。使わなくなった金歯もお見逃しなく。2~3本で3,000円くらいにはなるそうだから、躊躇せず持ち込もう。
24金と18金の違いについても確認しておこう。24金は純金、18金というのは24分の18、つまり75%が金で、買取価格もこの比率で計算される。「18K」「24K」などと小さく刻印されているので確認しよう。ちなみに金かどうかを見分けるには磁石を使うのが簡単。金は磁石にはくっつかないそうだ。
27年ぶりの金高騰で、純金のやかんや、18金のコンパクトも"ご来店"
ところで金はいまどれくらい高いのだろう。田中貴金属工業の店頭小売価格をみると、ここ最近は1グラムの店頭小売価格が3,600円前後、店頭買取価格は3,500円前後だが、これは1年前と比べると700円超、10年前と比べるとなんと3倍以上の価格。これだけの高値は1983年以来実に27年ぶりという。
一般的に、1グラムの店頭買取価格が3,500円を超えると来店者が増える傾向があるそうで、今年5月にはジュエルカフェ全店(当時約110店舗)の買取額が1日で1,500万円に上った日もあったそうだ。さらには「こんなものどうして?」と言いたくなるようなレアものも続々"ご来店"。22金のかたまりや純金のやかん、18金のコンパクト、金メダルのような純金製巨大ネックレスなどが持ち込まれ、スタッフも目を丸くしたという。どうやらバブル時代の"遺物"が多いようだが……。
18金のコンパクト |
気軽に立ち寄れる雰囲気が主婦層に人気
「ジュエルカフェ」での実際の買取の流れを紹介しよう。必要なものは売りたいものと、身分証明書(免許証、保険証、パスポートなど)。鑑定書や保証書などがあれば一緒に持っていくと査定がスムーズに進むそうだ。実際に査定にかかるのは5~10分。併設のカフェスペースでは飲み物の無料サービスがあるので、くつろぎながら待つことができる。あとは買取金額を確認し、サインをして現金を受け取るだけ。もちろん査定だけをして帰ることも可能だ。金のほかプラチナ、ダイヤモンドなどの査定や買取もしている。
「ジュエルカフェ」は現在全国で120店舗を展開。女性にターゲットを絞っているのが特徴で、赤を基調にしたカフェのような店構えと入りやすい雰囲気が主婦層に受けている。ショッピングセンター内の店舗が多く、買い物ついでに気軽に立ち寄れるのも好評だ。30代後半から50代の主婦客が主だが、子連れママ同士や家族連れで立ち寄っていくことも多いようだ。
「不要になった貴金属を売ることは『エコ・リサイクル』にもなります。タンスやドレッサーなどを探せば不要になった金製品が出てくるはず。ピアス1個でもぜひどうぞ」と同店スタッフ。まもなくお盆シーズン。帰省ついでに実家の"埋蔵金"を探すのもいいかもしれない。ただし持ち出すときは許可をもらうのを忘れずに……。